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クローズアップインタビュー

クローズアップインタビューVol.25 CIA卒業、在邦18年のシェフが魅せるリアルアメリカンフード! ディビッド・キドーさん

クローズアップインタビューVol.25 CIA卒業、在邦18年のシェフが魅せるリアルアメリカンフード! ディビッド・キドーさん

クローズアップインタビュー第25回目のゲストは料理メニューのプロデュースからクラフトビールのアドバイスまでリアルアメリカンフードを日本に紹介すること18年のベテラン、ティー・ワイ・エクスプレス株式会社特別顧問のディビッド・キドーさんにご登場いただきました。

myfood:本日はお時間をお取りいただき、ありがとうございます。よろしくおねがいいたします。

キドー:こちらこそ、よろしくおねがいいたします。

myfood:それではさっそく来日されたころのお話を伺いたいのですが日本にはいついらしたのですか?

キドー:1992年です。日本にはまだアメリカ料理のレストランがスパゴとロイズの2軒しかないという時代でした。

myfood:なるほど。キドーさんはどういったご縁で日本にいらしたのですか?

キドー:ロイヤルグループのアールアンドケーフード株式会社にリアルアメリカンメニューを導入するというミッションのもと、入社しました。その際のミッションにはクラシックなアメリカ料理や地域食の強いメニューを入れるというのも含まれていましたね。

myfood:なるほど。具体的にはどんなメニューを導入されたのですか?

キドー:シーザーサラダ、コブサラダ、ニューオリンズBBQシュリンプ、NYチーズケーキ、アップルクリスプ、チキンポットパイ、サーモングリルのホウレンソウのクリーム煮添え、ニューイングランドクラムチャウダー、ハーブローストチキン、マリネした牛ハラミのグリル、 ミートローフ、マッシュポテトなどですね。

myfood:今ではどれも日本人がよく知り、かつ人気のあるメニューばかりですね!

キドー:ありがとうございます。

myfood:そういったメニューを紹介するべくLunchan Bar & Grillを成功させて、そこから現在の会社のお仕事を始められたわけですがその転身には何か理由があったのですか?

キドー:ロイヤル、Lunchanとやって次はコンサルタント業を始めようと思ったんですね。現在の会社はその初めてのクライアントだったんです。

myfood:そうだったんですかぁ。

キドー:当時、社長である寺田さん(親会社である寺田倉庫株式会社会長の寺田氏)はブルワリーレストランの料理のディレクションに悩んでいて、その改善を私とジョー(現ティー・ワイ・エクスプレス上級副社長のジョセフ・スーチバヌ)に依頼されたんですよ。

myfood:はい。

キドー:そこで元々T.Y.HARBORが持っていたコンセプトである本格的なアメリカ料理とアメリカの地ビールを提供するという部分を見直し、私はすべて新しいメニューに刷新し、ビールの部分は阿部さん(当時は寺田倉庫の社員だったが現在はビールの醸造職人としてティー・ワイ・エクスプレスで在籍している)が改善したんです。

myfood:そういう経緯があったんですね。因みにお料理はどんなものを導入されたんですか?

クローズアップインタビューVol.25 CIA卒業、在邦18年のシェフが魅せるリアルアメリカンフード! ディビッド・キドーさん キドー:先ほどお話したものもいくつか入れましたし、あとはバッファロースパイシーチキンやピザ、ブラックビーンチリ、これはコーンブレッドと一緒にご提供しています。あとはビールソーセージなど。

クローズアップインタビューVol.25 CIA卒業、在邦18年のシェフが魅せるリアルアメリカンフード! ディビッド・キドーさん 他にはいろいろなお肉や魚のグリル料理ですね。更にビールに合うBBQメニューというのもご紹介しました。それからデザートもすべてアメリカンスイーツにしました。こちらも先ほどのチーズケーキやアップルクリスプに加え、パンプキンプディング、パンプディング、チョコレートブラウニーサンデーなどね。

myfood:どれもこれも大好きなものばかり!かなり大々的な改革をされたという印象ですが結果はいかがでしたか?

キドー:そうですね。お陰様でオペレーションもかなり向上しましたし、ビールについては3年で300%増の売り上げを誇る成功をおさめることができました。

myfood:それは素晴らしいですね。ところでキドーさんは日本人にアメリカの料理や食文化という面でどんなものを紹介されたいと考えていますか?

キドー:そうですねぇ・・・日本人だけでなくこれはすべてのアメリカ人ではない方に理解していただきたいなということなんですがアメリカ料理が決してハンバーガーとホットドッグとピザではないということなんです。私達は世界中のさまざまな地域から多くの民族が集まっている大きな国なので、それぞれの地域が独自の食文化を持つと同時にさまざまな民族の食文化が混ざって生まれた新しいスタイルの食文化というものも持っているわけです。これは例えばNYやLA、それからサンフランシスコなどですね。

myfood:なるほど、なるほど。

キドー:それからアメリカはナパバレーという世界でも有数のワインの産地を持ち、更にその周辺に素晴しいレストランがたくさんありますし、ワインビジネスや文化をサポートする素晴らしい食材についても高く認知されています。

myfood:確かにそうですね。そのあたりのイメージはもっと幅広く日本人に知ってもらいたいところですね。因みにキドーさんはCIAご出身の上にアメリカの伝統的な食文化を数多く持つ南部ご出身というバックグラウンドをお持ちですがこれらのことはお仕事にどう活用されていますか?

キドー:CIA(the Culinary Institute of American)ではとても素晴しい経験と教育を受けたと思っています。そこで私はアメリカ料理や食文化についてしっかりと理解を深めましたし、またそれを他の人に伝えていくのがとても好きなんですね。ですから18年たった今でも日本に"リアルアメリカンフード"という言葉を広めていくということをし続けていますよ。

myfood:リアルアメリカンフード、いいですね。因みにキドーさんが見られている各お店ではアメリカ食材というのは導入されていますか?

キドー:もちろん使っています。ただ正直、満足いくほど使えていないというのが現状なんですけどね。

myfood:それはどういう意味ですか?

キドー:やはりアメリカの食材は輸入品ですので規制の問題などで日本に入ってこないものもありますし、過去は入ってきていたけど輸入されなくなってしまったものもあります。私どももビジネスである以上、プライベートで購入するのとは違い価格ということもシビアに考えながら食材を仕入れなければいけないので日本に入ってきていてもそういう理由で使えない場合もありますしね。

myfood:確かにそれはそうですね。どんな食材にもっと日本に入ってきてもらいたいですか?

キドー:ドレッシングなどの加工品でもいくつかありますし、あとチーズは本当に数が少ない。特にアルチザンチーズがもっと入ってきてくれると嬉しいですね。

myfood:それは本当にそうですね。国際的に賞を取っているものもたくさんありますし。少しでも入ってきてくれてキドーさんのお店で食べられるのを願っています。因みに今、使ってらっしゃるものは?

キドー:まずナッツやドライフルーツはたくさん使っていますね。くるみやアーモンド、それからレーズンなど。それから野菜はカリフォルニアやハワイからのものを使っていますし、ドレッシング、ソース、香辛料、ケッチャップ、マスタード、マヨネーズなどもアメリカのものを使っています。そうそう、オリーブオイルもカリフォルニアのものを使っています。これは自宅でも使っていますよ。

myfood:それちょうど、伺いたかったんです。やはりご自宅でもアメリカ食材を多く使ってらっしゃいますか?

キドー:そうですねぇ・・・うちは奥さんが日本人なのでやはり冷蔵庫は彼女のもの。ほとんどは日本のものですね(笑)でもいくつかはもちろんありますよ。例えばシリアルとか(笑)それから今、ちょうど自宅にあるデイツもアメリカのものだし、あとはやはりワインですね。これはお店でもカリフォルニア、ワシントン、オレゴンをたくさん置いてますが自宅にもたくさん持っています。あとアメリカンウィスキーも好きですね。

クローズアップインタビューVol.25 CIA卒業、在邦18年のシェフが魅せるリアルアメリカンフード! ディビッド・キドーさん myfood:私も時々Beaconでワインいただきますが選択肢がたくさんあって、その上コストパフォーマンスのよいものが置いてあるのでいつも重宝しています。ところでワインもそうですがT.Y.HARBORはアメリカンクラフトビールが飲めることが魅力ですがキドーさんが考えるT.Y.HARBORの魅力って何ですか?

クローズアップインタビューVol.25 CIA卒業、在邦18年のシェフが魅せるリアルアメリカンフード! ディビッド・キドーさんキドー:まずはビールのフレッシュさですね。現場で作っているものを飲んでいただけるのでフレッシュな上にナチュラルで美味しいビールを飲んでいただけること。そしてそれらビールにあったメニューをご用意しているのでマッチングという意味でも自信を持って楽しんでいただけるレストランだと思っています。あとは目の前に広がる海や雰囲気、それから価格などコストパフォーマンスもよいと思いますね。

myfood:確かにデッキでのお食事などは本当に気持ちがよくてビールが何倍も美味しくなりますね。因みに特にお勧めのお料理はありますか?

クローズアップインタビューVol.25 CIA卒業、在邦18年のシェフが魅せるリアルアメリカンフード! ディビッド・キドーさん キドー:全部!ですが、そうですね、やはりブラックビーンチリやソーセージ、ピザ、バッファローチキン、バーベキューものなどでしょうか?それから季節ごとに変わるビールを使った料理があるのでそちらもいいですよ。

myfood:へぇ、ビールを使ったお料理ですか?

キドー:はい、メニューを見ていただくと横にビールマークがあるのがそれなんですが、今だとあさりのビール蒸しなんかおススメですよ。

myfood:貝のビール蒸し!あ?今すぐにも食べてみたいお料理です!

キドー:ぜひ召し上がってくださいね。

myfood:はい、ぜひ!ところで季節ごとのメニューということをおっしゃいましたがどのくらいの頻度で新しいメニューは登場するんですか?

キドー:基本的には4月と10月ですね。その前に何か月もリサーチしたり、考えたりするので。

myfood:なるほど、なるほど。では今考えてらっしゃるものは10月に登場するわけですね?

キドー:そうですね。

myfood:因みにどんなことをリサーチされるんですか?

キドー:いろんなことですね。例えば今アメリカでどんな食が流行っているのか?とかどんな新しい料理が登場してるのか?などのリサーチや、常にハイクオリティな食材というものは探していますからそういったこととかね。後はそれらをどう僕のテイストと融合させてお店の商品として出していくか?ということを考えるといった感じですね。

myfood:最近注目されてる新しいトレンドは何ですか?

キドー:今ね、クラフトスピリッツが流行っていんですよ。ラムにジン、それからウォッカとかの。まずはそれを取り寄せて飲んでみています。

myfood:クラフトスピリッツ!ラムはなんとなくイメージにありますがジンやウォッカがアメリカ産っていうの、とっても新しい感じがしますね。へぇ、そうですか。

キドー:そうなんです。美味しいですよ。

myfood:見つけたら飲んでみますね。さていろいろと伺ってきましたが最後にキドーさんが今後、やられたいことや将来像についてお聞かせいただけますか?

キドー:そうですね。まず今世界はとても近いものになったと思うんですね。旅行をするのも簡単になったしいろな国の料理や文化に触れることも簡単になりましたよね。ですからそういったものを経験したり、美味しいものを食べたりということをしやすくなりましたし、あと家族や友人を共有するということをするのはとてもいいことだと思いますね。ただ食産業というのはこの20年、良くも悪くも大きく変わってきている。世界的な視野で見ると食料の配分というのかな?すべての人に十分な食料がいきわたっていないという現実もありますし、そういった問題についても食産業のあり方みたいなものを考えなければいけないと思いますね。また日本もそうですが食糧自給率の低さということも問題だと思いますしね。今のようにエネルギーの不足なども起こってきた中で食産業界は今一度、さまざまなことを考えるべき局面にいると思います。そういう意味で私達の子供たち、そしてまた彼らの子供たちが安心で健康的な食生活を送れる未来を願っています。

myfood:本当にそうですね。私達もそういった面からもよい情報を消費者のみなさんに提供していきたいと思います。本日は本当にありがとうございました。

キドー:こちらこそありがとうございました。


【関連サイト】
T.Y.HARBOR BREWERY


【アメリカ食材辞典】
クラフトビール