Home>週刊myfood>クローズアップインタビュー>第二十一回:アメリカ健康&機能性食品のエキスパート、ナンシー・チャイルズ教授

週刊myfood...様々な視点からアメリカの食文化、食情報を4つのコラムで紹介します。

クローズアップインタビュー

クローズアップインタビューVol.21 アメリカ健康&機能性食品のエキスパート、ナンシー・チャイルズ教授

クローズアップインタビューVol.21 アメリカ健康&機能性食品のエキスパート、ナンシー・チャイルズ教授

クローズアップインタビュー第21回目のゲストはナショナルリーグのチャンピオン校でも知られるペンシルバニア州セント・ジョセフ大学食品マーケティング学部のナンシー・チャイルズ教授。昨年同氏がセミナー講師を務めた、米国中西部食品輸出協会・米国北東部食品輸出協会主催の「アメリカン・フード セミナー&展示会」にてお話を伺ってきました。

myfood:本日はお時間をお取りいただき、ありがとうございます。また本日は素晴らしいお話、ありがとうございました。

ナンシー教授:こちらこそ、ありがとうございます。

myfood:本日のセミナーでもテーマとなっていましたが今、アメリカでは健康的な食生活ということにとても注目が集まっていますね。

ナンシー教授:はい、世界的な傾向としても消費者の興味が増していますが、アメリカにおいては企業側も消費者側も共にこのことに興味を持っています。

myfood:例えばどのような事例がありますか?

ナンシー教授:例えば日本でも人気のある世界最大の食品・飲料企業N社という会社がありますが。

myfood:はい。

ナンシー教授:その企業はそういった健康食品市場における取組に対して5億ドル(※)のリサーチ費用をかけて取り組んでいます。(※2011年1月現在約420憶円)

myfood:リサーチだけに5億ドルですか?それは非常に成長が見込める市場だということでしょうか?

ナンシー教授:はい、力強い成長が見込める市場だと考えられていますし、食品業界だけでなく医療業界なども一緒に取り組んでいる分野です。

myfood:なるほど。例えば具体的な食品ということでいうとどんなものが機能的に健康によいということがいえるのでしょうか?

ナンシー教授:そうですね、天然の食材というものはみな、なにがしかの機能を持っているのでフルーツも野菜も乳製品も挙げられますし、お肉やお魚、それから大豆などの動物、植物両方のたんぱく質も挙げられます。あとはナッツやホールフーズと呼ばれる精製されていないものも入ります。

myfood:ということは今、日本に輸入されているアメリカ食材というのはみな、注目の機能性食品ということになりますね。

ナンシー教授:はい。これらの中からビジネスチャンスが大きいものというと今はフルーツ、それから筋肉の補修に関係するたんぱく質、そしてオメガ3系の脂質を持つ魚類などがあげられます。

myfood:そうなんですね。因みにアメリカにおける健康志向のニーズといったものについてはどんな傾向が強いのでしょうか?

ナンシー教授:健康によいということは大前提なのですがそこに最近は"美味しい"ということが大切なセグメントになっています。

myfood:美味しさ、確かに大事なポイントですね。

クローズアップインタビューVol.21 アメリカ健康&機能性食品のエキスパート、ナンシー・チャイルズ教授ナンシー教授:はい、本日のセミナーでもご紹介しましたが面白い調査結果があってアメリカにおける食文化なのですが食事に対する意識というのが「生存するための手段としての食事」という理由の次に「楽しむため、味わうための食事」という理由も40%以上あって、美味しいものを食べることに対してはコストを気にしないという傾向が多いことをしめしているんです。

myfood:なるほど。ということはライフスタイルにおける食事の充実といった意味でもその部分が今後、大切になってきますね?

ナンシー教授:はい、そうだと思います。

myfood:因みに先生はどんなライフスタイルというのをご提案されますか?

ナンシー教授:私はベビーブーマーの世代なんですね(アメリカでは1946年から1964年までに生まれた世代をこう呼んでいます)。ですから今後、健康に生きるために気をつけなければいけないこととして消化器、心臓の健康やコレステロール値の問題、また免疫力の強化など生活習慣病を含めた老化ということとどう付き合っていくか?ということがあります。

myfood:はい。

ナンシー教授:そこでこれらの問題をよい食品から栄養をとることでなるべく回避したり、加齢に打ち勝つということを体調と相談していかないといけないと考えています。

myfood:なるほど。

ナンシー教授:その際にただ単に食材の機能ということだけでなく、先ほどもお話した味わいということも大切になってきますし、あとは食べやすさということも大切になってくるわけなんですね。

myfood:具体的にはどういったことでしょうか?

ナンシー教授:例えば年をとると舌の感覚が鈍りますから味付けがしっかりしていることが食を楽しむ上で大切になってきます。またポーションや食べやすさといった点にも気を使った商品が望まれますね。

myfood:確かにそうですね。消化されやすいといった内臓機能に優しいことも大切ですね?

ナンシー教授:そうです。更には1人ぐらしの老人も増えていますから簡単に食べられる、1人用の食事といった商品の提案と共に食べ方の提案ということも大切だと考えています。

myfood:食べ方ですか?

ナンシー教授:はい、精神衛生ということにつながる話なのですがただ食事をするのではなく、例えば誰かと一緒に食べるといった社交もよりよく年を取るということにおいては大切になりますね。

myfood:なるほど。

クローズアップインタビューVol.21 アメリカ健康&機能性食品のエキスパート、ナンシー・チャイルズ教授 ナンシー教授:さらに80歳以上の人にとっては適度な運動というのも大事になります。そうはいっても若い人のする運動とは少し意味が違いますが、毎日少しずつでも歩いたり、バランスをとったりといった運動をすることで柔軟性や体力がつきますし、元気であるということが自信につながるのでより健康につながるんですね。

myfood:なるほど。それは大切なことですね。そういった意味では日本の方がアメリカよりも今後待ち受ける高齢化社会というものが大きな課題となるわけですが今教えていただいたこと以外に何か食生活やライフスタイルにおいてアドバイスはありますか?

ナンシー教授:そうですね、今お話してきたことに加え、体の内側からなるべく若々しくいられるように抗酸化作用の高いものを積極的に意識してとることも大切ですし、食材自体のクオリティーを意識して食材を選ぶということも大切だと思います。

myfood:食材のクオリティー、例えばオーガニックのものということだったりですか?

ナンシー教授:そうですね。オーガニックな食材を食べるということもとてもいいことですし、また最近アメリカではファーマーズマーケットがとても増えているのですが新鮮なものを食べるということも大切だと思います。これはミシェル・オバマ大統領夫人がホワイトハウスにオーガニックガーデンを作って国民にお手本を見せていることもとてもよい影響を与えていますし、USDA(米国農務省)もガーデンを作っていますね。

myfood:なるほど。そうですね。本日お聞かせいただいたお話は日本の高齢化問題における食生活の面でとても役立つお話だったと思います。

ナンシー教授:よかったです。

myfood:本日はお忙しい中、ありがとうございました。

ナンシー教授:こちらこそありがとうございました。




クローズアップインタビューVol.21 アメリカ健康&機能性食品のエキスパート、ナンシー・チャイルズ教授/Nancy.M.Childs Ph.D

関連サイト
Nancy.M.Childs Ph.D(英文のみ)
米国中西部食品輸出協会(英文のみ)