クローズアップインタビュー第10回目ゲストはオータパブリケイションズ代表取締役社長の太田進さんにご登場願いました。太田さんはなんとあのCIA(※)の卒業生です。
myfood:本日はお忙しいところ、ありがとうございます。またFOODEXの際には御社発行誌「HOTERES」でアメリカ食材特集を組んでくださってありがとうございました。
太田:こちらこそよろしくお願いいたします。
myfood:太田さんはCIAご出身ということですがアメリカにはいつごろいかれたのですか?
太田:高校からアメリカに留学しました。ハワイにいたんですよ。
myfood:ハワイですか!留学先をハワイに選ばれた理由は何かあったのですか?
太田:そのころは音楽の世界にあこがれていて。子供の頃からよく行っていたので親も日本から近いので安心だったというのもありますね。あとは海が好きなので。
myfood:音楽?!それがなぜCIAにいかれることになったのですか?
太田:むこうは夏休みが3か月くらいあるのでその間にネバダ州レイクタホのレストランでアルバイトをしていたんですね。
myfood:はい
太田:その時、ちょうど16歳でしたがこの世界で生きていこうと決めたんです。それでスイスのホテルにも修行にいきました。その時にレストランをやるには料理のことを解っていないといけないと思いまして、学校を探したところCIAがあって。それでCIAに進学したんです。
myfood:なるほど。CIAはどちらの校舎にいかれていたんですか?
太田:当時はNY校しかなかったのでハイドパークですね。
myfood:CIAはいかがでしたか?
太田:楽しかったですよ。私は調理するよりもつまみ食いをしている方が多いような(笑)とにかく食べることが楽しいということを感じる毎日でしたし、この学校で学んだことは一生使えると日々思うような授業内容でしたね。
myfood:例えばどんな授業があるのでしょうか?
太田:CIAでは最初に入ったクラスで2年間一緒に過ごしていくんですね。1プログラムを2週間で1単位とっていくというシステムで、氷のカービングや商品の目利きやプロのノウハウなどを学ぶ購買の授業や、学校の中のレストランで仕入、搬入を手伝ったり、牛や羊の骨のストラクチャーを学んだり。もちろん朝食をはじめ料理やレシピのことも学びましたよ。
myfood:凄くバラエティに富んだプログラムですね。
太田:そうですね。1年目が終わるとホテルかレストランで研修しないといけないのでマイアミのヒルトンホテルで半年間働いていたこともありますよ。
myfood:そうなんですか!太田さんはレストランのシェフになりたかったんですか?
太田:いえ、私はレストランの経営者になりたかったです。ですからその観点で勉強していました。
myfood:なるほど。因みにアメリカはずいぶんと方々に住まれたんですね。
太田:そうですね、ハワイに始まりフロリダ、ネバタ、ニューヨーク、カリフォルニアと計5つの州に住みました。
myfood:文化の立っているところが多いですね。オータパブリケイションズはいつ入社されたんですか?
太田:CIAを卒業してカリフォルニアのモントレーで仕事をしていた頃です。パートナーと一緒にケータリングの仕事をしていたんですけど、父からそろそろ日本に帰ってこないかという話がありまして。それで帰国してオータパブリケイションズに入社しました。
myfood:ではレストランの経営は...
太田:結局やっていないんです。出版社に入ったということはニュートラルなスタンスに立たなければならないということでしょう?それで自分でレストランをやるということは私の中でなしになったんですね。ただいつも経営者と同じ目線、気持ちで見守っています、決して対岸から言いたいことだけ言うということはしないようにと心がけてます。
myfood:なるほど。こちらに入られてからはどんなお仕事を?
太田:営業です。アメリカに飛んで、1日6~7件のホテルにアタックして日本人むけの広告を出してもらうんです。24歳からの10年間で1600日海外出張しました。一番すごかった年は年間190日海外出張(笑)。
(因みにその後年間30日ペースで海外出張をされているので入社以来の出張数は約2100日を越えているとのこと。この数は今もまだ増え続けてらっしゃいます。)
myfood:190日!凄いですね!!!!!
太田: 半分以上日本にいないわけですからね。
myfood:ですよね...そんな中、当時のカリフォルニアワインインスティテュート日本代表事務所などと一緒にカリフォルニアワインの普及にも貢献されたと伺っていますが、太田さんのカリフォルニアワイン評をお聞かせねがえますか?
太田:世界にどうどうと胸を張って出せるものだと思いますね。それと彼らの物を世界に売るためのマーケティングのセンスは世界一ですね。
myfood:なるほど、そのセンスは日本人がもっと彼らから学びたいところですね。その他にアメリカの食文化で太田さんのお勧めは何かありますか?
太田:朝食かな。
myfood:朝食ですか?
太田:アメリカの朝食はリッチなんですよ。フルーツ、シリアル、トースト、たまごと種類もボリュームもね。
myfood:確かに朝食のために出向く価値があるレストランというのが紹介されたりもしますね。ところで学生の頃からずっとアメリカの食文化を見てこられたと思うのですがその中で何か変化を感じられたことはありますか?
太田:ボリュームですね。日本人からみたらそれでもまだ多いと感じる量が出てきますが、昔に比べてだいぶポーションが小さくなりました。特にここ数年、NYなんかではそれがトレンドですね。
myfood:なるほど。
太田:あと変化というわけではないけれどもアメリカは地産地消推進やウェイトコントロールについての啓蒙が凄いと思いますね。そういう点は日本もぜひアメリカに習ってがんばってもらいたいと思いますよ。
myfood:私たちもそういったアメリカの活動をもっと日本に伝えられるようにがんばっていきたいと思います。本日はありがとうございました。
太田:こちらこそありがとうございました。
※CIA(The Culinary Institute of America全米最大にして最高の料理大学。NY州ハイドパークに本校を置き、更にカリフォルニア州ナパバレー近くにグレイストーン校、テキサス校の国内分校に加え、シンガポールに提携大学も。ニューヨーク本校は18万4千坪(東京ドーム13個分)のキャンパスに39ケ所のキッチン(実習教室)、5つのレストラン、1つのベーカリーカフェを持有し、図書館は6万3千冊の料理関係書を蔵書。インストラクター(教員)は世界20ケ国より125名が常勤で勤務し、生徒18名に対してインストラクター1名の体制をしく。専攻はカリナリー・アートと呼ばれる料理全般を網羅するコースと、ベーキング& ペストリー・アートと呼ばれる製菓製パンコースとに分かれており、各コースとも短大卒業と同じある、キュリナリー学位を取得できる2年コースと、一般の大学と同じ学士号を取得できる4年コースがを選択可能となっている。三ツ星シェフでフランス料理界の巨匠であるポール・ボキューズが息子の進学先として世界中の料理学校を視察の結果、施設とカリキュラムの素晴らしさに感銘し、進学させたことでも話題になった。またニューヨークのトップ10レストランのシェフの多くが卒業生であることや前校長のフェルナンド・メッツ氏が料理界のオリンピックでオリンピックでアメリカチームのリーダーを勤めた時に、2回連続金メダルを取得したことなどから「外食産業界のハーバード」との異名をとる。クローズアップインタビュー第3回目登場で世界料理サミットアメリカ代表となったグラント・アケッツ氏も同校の卒業生。小枝さんの通っていたグレイストーン校はクリスチャンブラザースのワイナリーの跡が学校となっている。ニューヨーク校、ナパ校共に構内にレストランが併設され、関係者だけでなく一般の利用者もCIAの味を堪能できるようになっている。
協力:
株式会社オータパブリケイションズ
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