クローズアップインタビュー第四回目ゲストはワシントンワインの作り手二人。近年、日本でも知名度、人気と共に上がっているワシントンワインの魅力について語っていただきました。一人目は数年で大変な急成長を遂げているPRECEPT WINE BRANDSのアンドリュー・ブラウン(Andrew Browne)氏。「HOUSE WINE」、「WATERBROOK」、「WASHINGTON HILLS」など数々の個性的なワインブランドを扱っている企業です。
ところで今回はインタビューをお読みいただく前にちょっとワシントンワインについてご紹介します。
現在、カルフォルニアワインについで全米第2位の生産量を誇るワシントンワインの歴史は1825年、ハドソンズ・ベイ・カンパニーによりフォート・バンクーバーにぶどうの木が植えられたことから始まりました。その後、カスケード山脈山頂の雪解け水を利用した大規模な灌漑事業が州東部に広がり、肥沃な火山性土壌と温暖で日当たりの良い、砂漠に近い気候の土地へとブドウ栽培の規模が広がっていきました。イタリアとドイツの品種がヤキマ・ヴァレーとコロンビア・ヴァレーに植え付けられ、その後ワォルークスロープ、レッドマウンテン、ワラワラ・ヴァレー、ホース・ヘブン・ヒルズ、コロンビアゴージ、ピュジェット・サウンドと栽培地を増やし、現在ではワシントン州をあげての生産物として品の管理から後継者の教育まで幅広く推進されています。またカルフォルニアに比べブドウの成長期の日照時間は平均で2時間長いことから、1日平均17.4時間の陽光がブドウを完熟させ、夜間の涼しさとの寒暖差がブドウの酸度を高める地の利により、芳醇な味わいを持つワインに仕上がると云われています。近年はアメリカ国内のみならず、国際的にも非常に高い評価を受けるワインが数多くあり、今後日本でもますます人気を博すことが期待されます。
それではそんなワシントンワインの作り手二人のお話をご紹介したいと思います。
myfood:お忙しいところありがとうございます。まずはじめに今回ご紹介いただくワインの産地やその特徴についてお話いただけますか?
ブラウン:はい、わが社の代表的なブランドである「WASHINGTON HILLS」はヤキマ・ヴァレー、「HOUSE WINE」や「WATERBROOK」はワラワラで作らています。ワシントン州はカスケード山脈をはさんで雨の多い州の西側の地域と、乾燥した東側の地域に分かれています。東側の土地は雨が少ないけれどもコロンビア川のおかげでブドウを育てるの十分な水が供給されているんです。寒い土地で果物を育てるのは大変ではありますが、その分味の凝縮されたブドウが取れる土地です。
myfood:なるほど。ワイン造りについてはどんなお考えをお持ちですか?
ブラウン:ブドウの栽培に関してはとても優しく、絶対に手荒く扱わないように細心の注意を払って、つぶす際も香りを逃さないように気をつけています。私どもではドイツ製の機械を使いボトル詰めも同じ場所でやっています。ワインは量よりも品質が大切だと考えて作っていますね。
myfood:とても大切に作られているワインなんですね。ところで御社のワインはブランドごとにとてもラベルが面白い個性を持っていますね。
ブラウン:そうですね、それぞれのワインが違うようにラベルも違うといった感じでしょうか?理由の一つとしてお客様の世代が違うので、様々な年代の人向けにラベルを見ただけでだいたいどんなワインか解るようにラベルのデザインを選ぶようにしています。因みに「WASHINGTON HILLS」はすべてスクリュータイプである点も特徴です。
myfood:なるほど。確かに「HOUSE WINE」などは日本でも若者に人気がありますね。ところで御社は大変な急成長を遂げられていると伺いましたがズバリ秘訣は何ですか?
ブラウン:人です。ブランド、メイカー、作り手、関わる人すべてですね。ワインが一人で急に育つわけではなくて、みんなの力で大きくなったということでしょうか?特に私どもは友達同士のつながりという「特別な人間関係」を以て仕事しているからというのも強いと思います。家族と一緒に過ごすよりも仕事に費やしている時間が長いわけだから、好きな人達で仕事しているといいものができるんだと思います。これは日本も一緒でしょ?
myfood:確かにそのとおりですね。楽しく仕事をした結果、すばらしい成果につながっているというのは素敵なお話だと思います。だから御社のワインは味も美味しいんでしょうね。ところでマリアージュについて聞かせていただけますか?
ブラウン:えっ!?僕の結婚について?
myfood:いえ・・・御社のワインとお料理のマリアージュです(笑)
ブラウン:あ?びっくりした(笑)まず「HOUSE WINE」の白はシーフードやお寿司、チキンにあいますね。赤はビーフステーキやポークを食べる際にお勧めです。ワシントンワインはとても料理にあうんですよ。なぜかというと元のブドウがいいので食べ物と自然にマッチするんですね。次に「WASHINGTON HILLS」の赤はトロやサーモンなどの油の強い魚にあいます。もちろんお肉はどんなものにもあいますよ。白のソーヴィニョン・ブランはなんといってもオイスター!特にワシントンオイスターとの相性は抜群にいいですよ。それ以外には生の魚介類にもとてもよくあいますね。シャルドネはチキン。料理法はどんなものでもいいと思いますよ。そして「WATERBROOK」のメランジュ・ブランははデザートとあいます。ですから食後のワインとしてどうぞ。赤はビックステーキやチーズバーガーにあうと思います。
myfood:ワインも個性豊かなら、マリアージュも幅が広いですね。いろんな場面で楽しめるワインだということがよく解りました。それでは最後に日本の消費者に向けてメッセージをいただけますか?
ブラウン:もちろん!ワシントンワインは高品質ということだけでなく、お手頃価格で高価値だということを日本のみなさんにぜひ知ってもらいたいと思っています。よろしくお願いいたします。
myfood:ありがとうございました。
次にWOODINVILLE WINE CELLARSのショーン・ボイド(Sean Boyd)氏にお話をうかがいました。
myfood:お忙しいところありがとうございます。御社のワインの産地やその特徴についてお話いただけますか?
ボイド:私どもでは醸造は雨の多い地域―州東部で行い、ブドウは乾燥している州西部から仕入れています。醸造の場所はウッディンヴィルというところで40のワイナリーが集まっているとても面白いところです。
ブドウについては現在5社の契約農場がありまして、どのブドウをどれだけほしいかをそれぞれの契約農場のマネージャーにお願いして作ってもらっています。現在6種類のブドウを扱っているのですがそれぞれの農場で違う品種の物を作ってもらっています。それぞれのブドウ畑でテロワールが違うので特徴が違うんですよ。ですからそれらを自分の好みで混ぜることで特徴を出すようにしています。
myfood:いろんな畑からブドウを仕入れられているんですね。因みに醸造に使っていらっしゃるプレス(圧搾機)はどちらのものですか?
ボイド:アメリカ製のものでバスケット・プレスというタイプのものです。これは100年以上前からある昔ながらの製法で他のワイナリーはあまり使っていません。
myfood:面白いですね。因みに御社のワインのエチケットは色違いがあるのみでデザインは統一されていますが、ブランドとしての特徴はどんなものがありますか?
ボイド:毎年ベストセレクションのもの、すなわちトップワインを出すということでしょうか?それからボルドースタイルにしているということですね。更に味をよりよく味わえるように樽材にオークの香りが強くならない古いオークを使っています。
myfood:今のお話を伺うとエチケットのイメージ、そして飲んだ感じとぴったり一致しますね。因みに御社はすべてコルクタイプですがスクリュータイプにしない理由などはありますか?
ボイド:一つはイメージですね。もう一つはボトリング上の問題でスクリューの機械をまだ導入していないんです。個人的にはスクリュータイプは好きなんだけどね。
myfood:なるほど。ところでそんな御社のワインとお料理のマリアージュについてはどんな風に考えられていますか?
ボイド:まずシラーにはダックがあいますよ。AUSONIUSにはビーフがいいですね。ソーヴィニョン・ブランは海老とかあと蒸したオイスターなんかいいんじゃないかな。
myfood:どれも美味しそうな組み合わせですね。それでは日本の消費者にむけてメッセージをお願いします。
ボイド:今回初めて日本に来たのですが、日本のみなさんに私の商品を紹介できてとても嬉しいです。もっとみなさんに僕たちがワシントンでエンジョイしているように楽しんでワシントンワインを味わっていただきたいですね。またワシントンワインについてもっともっと知ってもらいたいと思っています。よろしくお願いします。
myfood:ありがとうございました。
- 2012/01/23 第三十一回:農産物貿易とは、互いに豊かさを分かち合うこと ジェフリー・ウィギンさん
- 2011/12/20 第三十回:パン職人がすすめる"普段使い"のアメリカ産チーズ! 田澤弥生さん
- 2011/11/21 第二十九回:強力ウイルスからパパイヤを守る! ゴンザルベス博士
- 2011/10/20 第二十八回:シンプルを愛するハワイ料理の巨匠 サム・チョイさん
- 2011/09/20 第二十七回:じつは健康食! 安全なアメリカ産ピーナッツを日本へ!ピーナッツミッション来日団
- 2011/08/11 第二十六回:ナショナル・スイカクイーン ホイットニー・コナーさん
- 2011/07/08 第二十五回:CIA卒業、在邦18年のシェフが魅せるリアルアメリカンフード! ディビッド・キドーさん
- 2011/06/01 第二十四回:メニュー提案からアメリカ食材の魅力を引き出す名プロデューサー・青島邦彰さん
- 2011/05/01 第二十三回:日常使いの美味しさを届けたい!長坂将志さん
- 2011/03/30 第二十二回:仕事も料理も段取り上手!ダイアン・シュニッツラーさん
- 2011/02/04 第二十一回:アメリカ健康&機能性食品のエキスパート、ナンシー・チャイルズ教授
- 2011/01/07 第二十回:カリスマ料理ブロガー、ヤミーさんに聞くカルローズの魅力
- 2010/12/07 第十九回:日本人オーナー辻本憲三氏が手がける、珠玉のカリフォルニアワイン
- 2010/11/01 第十八回:スージー・ルース米国大使夫人に聞くサンクスギビングデー
- 2010/10/28 第十七回:ジョージア州ピーナッツ生産地視察ツアー報告!
- 2010/09/22 第十六回:若き天才がカリフォルニアで勝負する新しいラーメンの形
- 2010/06/14 第十五回:農業でつながる日米の友好関係
- 2010/01/28 第十四回:駐日首席公使はスーパー親日家!
- 2010/01/20 第十三回:CEOのお勧めは、くるみチャーハン?!
- 2009/12/21 第十二回:大和撫子が造るエレガントなピノ・ノワール
- 2009/10/23 第十一回:米国食肉輸出連合会の会長は黒帯の親日家!
- 2009/09/24 第十回:食、旅、豊かな時間。日米文化の懸け橋。
- 2009/08/21 第九回:アメリカンドリーマーを作ったBBQソース!
- 2009/07/22 第八回:アジアにSuperFoodの広めたパイオニア
- 2009/06/22 第七回:アメリカは医療も食材もアンチエイジング先進国!
- 2009/05/22 第六回:アメリカ大麦農業に見る"顔が見える農業"と"日米交流"
- 2009/04/24 第五回:V5キャンペーンシェフ、小枝さん登場!
- 2009/03/23 第四回:作り手が語るワシントンワインの魅力
- 2009/02/23 第三回:アリニアシェフ/オーナー グラント・アケッツ氏(世界料理サミット 2009東京テイストアメリカ代表)
- 2009/01/21 第二回:アメリカのチーズ第一人者であるレジー・ハイス氏














