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クローズアップインタビュー

クローズアップインタビューVol.2 レジー・ハイスさん

クローズアップインタビューVol.2 レジー・ハイスさん

クローズアップインタビュー第二回目ゲストはアメリカのチーズ第一人者であるレジー・ハイス氏。昨年、全60種類以上のアメリカチーズのみを一同に集め初開催された「アメリカチーズフェスティバル2008」に来日したハイス氏にアメリカチーズの魅力についてお話を伺ってきました。


myfood:この度は「アメリカチーズフェスティバル」開催、おめでとうございます。

ハイス:ありがとうございます。これだけ大々的に日本のみなさんにアメリカチーズを紹介できる機会を得て、大変嬉しく思っています。

myfood:今回は日本未上陸のチーズもたくさんあるということで私もとても楽しみです。さて、チーズのお話を伺っていきたいと思いますが日本ではチーズというとヨーロッパやオーストラリアのイメージが強くアメリカ=チーズというイメージはあまり強くないのですが......?

ハイス:確かに日本ではチーズというとヨーロッパのイメージを持っている人が多いようですね。でもね、実はアメリカはチーズの生産世界一なんですよ。

myfood:世界一!それは大変失礼しました。因みにアメリカがチーズの生産世界一になるまでの歴史というのはどういったものだったのでしょうか?

ハイス:チーズはイギリスからピューリタンがアメリカに持ってきた文化の一つなんですよ。それも味わいだけでなく、製造法もね。ということでアメリカの伝統の中では酪農とチーズの歴史というのはとても長いものだといえます。


myfood:なるほど、そう考えるとアメリカがチーズ大国になったということも納得ですね。当時はどんなチーズが一緒に上陸したのでしょうか?

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ハイス:チェダーですね。こちらは現在でも製造量が1番のチーズです。故郷の味に近いものが多かったんですよ。そこから土地や気候、それから作り手の個性によっていろんなチーズが作られるようになっていきました。その結果、現在では1000種類近くのチーズをアメリカでは作っています。

myfood:1000種類。お話を伺えば伺うほどアメリカチーズのスケールの大きさに驚かされます。因みにアメリカオリジナルのチーズというのはあるのでしょうか?

ハイス:先ほどもお話しましたがチーズというのは雪の結晶と一緒で、完全に同じものが出来るというものではないので、作る状況や素材によってオリジナルになりますね。例えばプロボローネというチーズがあるのですが、元々はイタリアからの移民によってアメリカに持ち込まれ、当初はクラシカルな製造法で作られていたのが徐々にアメリカの市場にあったものを作るようになり、現在の形になりました。現在、アメリカオリジナルのチーズということでモントレージャック、コルビー、アメリカンスタイルチェダーなどですね。面白いところだとモッツアレラチーズというのがあります。イタリアでは通常水牛の乳のフレッシュタイプが作られますが、アメリカでは牛乳を使い、低水分にして保存期間を長くしたタイプが製造されているんですよ。

myfood:面白いですね。産地としてはどこが特に有名でしょうか?

ハイス:2大チーズ生産地というのがあってカルフォルニアとウィスコンシンです。

myfood:なるほど。ところでハイスさんは30年以上に渡り、チーズのエキスパートとして活躍されていますが、その間アメリカで食べられるチーズの種類や使われ方に変化はありますか?

ハイス:この30年でアメリカチーズは大きく変わったと思いますね。私がヨーロッパでチーズの勉強をして帰国したばかりのころは小さな会社が多かったのですが、それが大きな会社にどんどん吸収されていった。そしてしばらくたったころに逆に分散するようになり、それが人気を持つようになっていったという流れがありましたね。本当に大きく変化しましたよ。また最近では世界のチーズコンテストでも数多くの賞を受賞するようになっています。これには元々の発祥地であるヨーロッパの企業が非常に意識してきていますね。次に使われ方という点ですが、一番特徴的なのはアメリカだけに限らず世界的にピザに代表されるようなチーズレシピといった形で調理されたチーズを食べる風潮からチーズそのものを味わうといった形に食べ方が変わりましたね。チーズの食べられ方が原点に戻ったといった感じでしょうか?レストランなどで料理の最後にチーズボードなどチーズ単体を味わうメニューが用意されているでしょう?

myfood:確かにチーズボードが用意されているお店は日本でも増えていますね。因みにお料理の最後にチーズを食べることには何か意味があるのでしょうか?

ハイス: チーズには胃を動かす働きがあるですよ。消化を助けるというと解りやすいかな?ですから料理の最後に少量のチーズを食べることで胃に負担をかけないでするということですね。チーズそのものを味わうという食べ方の変化もあって以前はファインダイニングと呼ばれる高級レストランでも0.5%程度のお店にしかおいてなかったチーズコースが今では68%で供されるようになりました。

myfood:コースの最後にチーズをいただくのはただ美味しいというだけでなく、そんな素敵な作用があったんですね。これ以外に何かチーズが体に良い点は何かありますか?

ハイス:まずはなんといっても良質なカルシウム源、たんぱく源だということですね。特にチーズのカルシウムというのは自然なものなのでトランス脂肪酸の影響もほとんどないわけです。またチーズに含まれる乳酸菌は非常に熟成されていますから乳糖が乳酸に変わっているので牛乳に弱い人でも安心して食べてもらうことができます。またチーズに含まれるさまざまな菌が口内環境、特に虫歯の予防に有効ですよ。

myfood:チーズが口内環境にもいいというのはまだあまり知られていないことかもしれないですね。チーズってお話を伺えば伺うほど本当に奥深い食品ですね。では最後にハイスさんお勧めのチーズを伺ってもいいですか?

ハイス:それはいつも聞かれることなんだけど(笑)、その日のそのチーズの状態によって違ってくるよ。ただ僕は比較的熟成されたチーズが好きですね。また最近アメリカではアルチザンチーズといって小さな工房で作られたチーズが注目を集めているのだけど、彼らの中にも個性的で美味しいものがたくさんあるのでいろいろと試してみてもらいたいと思います。

myfood:工房チーズですか!でも、あまり日本では見かけませんが?

ハイス:小さいところは生産量も多くないので現地で売り切れてしまうんですよ。日本でもそうでしょ?

myfood:確かにそれはそうですね。でもぜひ日本にも入ってきてもらいたいです。また更にいろんなアメリカチーズが食べられるようになるのを楽しみにしています。今日はいろいろと教えていただいてありがとうございました。

ハイス:こちらこそありがとうございました。


※「アメリカチーズフェスティバル2008」では様々なジャンルのシェフによる:「アメリカ産チーズを使った新製品開発コンテスト」も開催されました。

アメリカ産チーズを使った新製品開発コンテスト