Home> 特集記事> myfood アメリカの旅 2009.03

TITLE:アイオワ

TITLE:アイオワ

IMG:アイオワ

アイオワというとあまり観光地には選ばれない土地かもしれませんが、日本とアイオワ州の間にはとても親密で心温まる交流があるのをご存知ですか?時は今上天皇と皇后陛下のご成婚の年、1959年にさかのぼります。この年、いまだにその被害の大きさから語り継がれている伊勢湾台風が日本全土を襲い、海のない山梨県までもが死亡者を出す甚大な被害を受けました。当時、第二次大戦後日本に駐在していたことのあるアイオワ州在住のリチャード・トーマス氏がこのニュースを知り、アイオワの方たちに声掛けをしてくれたことからなんとアイオワ州から35頭の豚と豚達の餌になるとうもろこし1,500トンが山梨県に送られました。日米両国の間に戦争のしこりがまだまだ残っている時代に"好意"によってこれらの救援が行われたのです。この贈り物のおかげで山梨の畜産業は立て直せたのだと云われていますから本当にありがたい支援でした。その後、アイオワ州と山梨県は姉妹県提携を結び、州都デ・モインと甲府市の姉妹都市提携を皮切りに現在では7つの都市が姉妹都市となっています。またこの時のお礼に山梨県からアイオワ州に鐘(州議事堂の正面にあります)が送られたり、1993年アイオワ州が大洪水に襲われた際には資金援助をしたり、積極的に交換留学生を送りあうなど両県は継続した交流を続けてきています。(両県の交流については「Sweet Corn and Sushi」という絵本に詳しく描かれています。)

そんなアイオワがどんな土地かといえば豚と一緒にとうもろこしをたくさん送ってくれたことからも解るようにアメリカコーンベルトのど真ん中に位置し、とうもろこし以外にも大豆や大麦など穀物を栽培するのに適した気候を持つ農業州として有名な場所です。映画「フィールド・オブ・ドリームス」の舞台にもなったダイアースビルもとうもろこし畑が多くある土地で、映画の要所要所にとうもろこし畑が映っていましたね。因みに撮影に使われたとうもろこし畑の中の野球場は現在でも残されていますからファンの人はぜひ一度足を運んでみてください。また全米最大の規模を誇るといわれている養豚業においては実際の養豚だけでなく研究も盛んなことからアメリカ国内にとどまらず世界の養豚業界でアドバイザー的な役割を担ってもいます。もちろん豚だけでなくアイオワは牛も有名で、良質のとうもろこしを食べていることから味もいいと評判です。更にアイオワの農家の暮らしや歴史に触れてみたい場合は州都デ・モイン郊外にあるリビング・ヒストリー・ファームスを訪ねてみてください。1700年代のネイティブ・アメリカンの農場生活や開拓者達のログ・キャビンの生活など数種の農家が再現されている屋外博物館です。またアイオワの農業においてはアイオワ州立大学の貢献にもぜひ目をむけたいところ。全米有数の農業州ということで農業の技術研究や農業経済学の分野において中心的存在で、日本からも多くの研究者が留学しています。大学内ではコンサートや演劇などの催しも行われていて一般の人も入れるのでぜひ訪問してみてください。

また政治の世界においては大統領選の開幕となる州としても有名でアイオワ州での勝敗がその後の結果に大きく影響すると云われています。先ごろ就任したオバマ大統領ももちろん!アイオワ州で勝利。今回副大統領に就任したバイデン氏がアイオワ州での結果を受けて"指名争いから撤退"したことからもこの州での勝敗が大統領選においてどんなにか大きな影響を持っていることが解りますよね。因みにアイオワ出身の大統領には、"The Star-Spangled Banner(星条旗)"をアメリカ合衆国の国歌として正式採用する法案に署名したフーバー大統領がいます。

そこでアイオワ州を訪ねるのなら特にお勧めの季節が8月。毎年デ・モインで行われる"アイオワ・ステート・フェア"が開かれるからです。全米最大級ともいわれるお祭りで何百という食べ物屋さんが出店し、野外コンサートなども開催される大がかりなイベント。中でも名物なのは"Butter Cow"。読んで字のごとく、バターでつくられた牛(それも生きている牛と同じくらいの大きさ!)が展示されるのです。この牛にはその時々の旬の"誰か(何か)?"がペアとして一緒に展示され、2008年はデ・モイン出身の体操選手で北京オリンピック体操女子金メダリストのシャウン・ジョンソンさんが、2007年にはハリー・ポッターと一緒に展示されたとのこと。2009年はいったい誰?何?とペアとして登場するのでしょうか?またこのフェアの様子は古くは「State Fair」という名前で映画なっていますし、近年ではマーサ・スチュワート・リビングがこの会場から放映されたり、シンプソンズにも登場しています。ところで映画とアイオワといえばもう一つ、大人のラブストーリーとして一世を風靡した「マディソン郡の橋」を忘れてはいけません。こちらはアイオワ州マディソン郡ウィンターセットが舞台となっており、タイトルにある橋はここに実在するローズマン・ブリッジのこと。映画用に特設された主人公の女性の家は現在でも残されており一般の人も訪れることができるようになっています。

とても親日家の方が多い土地ですし、のんびりと過ごせるアメリカを体験したくなったらぜひアイオワ州を訪れてみてください。

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