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山梨・アイオワ友好交流レシピコンテスト優勝者、清水一家のアイオワ滞在記 帰国後インタビュー

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清水一家のアイオワ滞在記


Myfood:この度は本当におめでとうございました。

清水さん:ありがとうございます。

Myfood:ではまずコンテストに応募したきっかけと理由からお聞かせねがえますか?

山梨・アイオワ友好交流レシピコンテスト優勝者、清水一家のアイオワ滞在記

清水母:私は高校で家庭科を教えているのですが、そこで今回のコンテスト のことを知りました。その際、優勝するとアイオワにいけるというのがあっ たので「アイオワにいけたらどんなにすばらしいだろう!」と思いから応募 してみようかなと。それともうひとつ、今回「家庭料理を家族で作る」とい うことがテーマで家族でこういったコンテストに参加することがすごくいい 思い出になるのでは?ということもあり、ハンバーグからひらめいて、それ を子どもが大好きな我が家の"プチごちそう"の大きいミートローフで作っ たら???きっと、おいしいかも!」と思ったことも応募した理由のひとつ です。

Myfood:お嬢さんはお母さんからその話を聞いてどう思いましたか?

清水娘:アイオワにいけるならがんばろう!って思いました。

Myfood:レシピはどういう風に考えたんですか?

清水母:1時間の持ち時間の中で4人分を作るということで難しいものだと時間内で作りきれないと思いまして、普段作りなれているものに今回のテーマ食材であったフジザクラポークとアメリカ産の食材を組み合わせて作ろうとまず考えました。そんな中である日、ハンバーグにベーコンを巻いたものを作っていたのですが、これをフジザクラポークで作ったらパリッとして美味しいのではないかとひらめきまして。

Myfood:なるほど。それを応募されて書類審査が通って連絡があった時はどんな感じでしたか?

清水母:いよいよ!という感じでした。

Myfood:自信があったんですね!

清水母:はい(笑)

Myfood:当日はさきほどもおっしゃったように1時間という制限の中での調理だったわけですが何か大変だったことなどありましたか?

山梨・アイオワ友好交流レシピコンテスト優勝者、清水一家のアイオワ滞在記            

清水母:実はその現場ではちょっと自信を失っていたんですね。というのも他のみなさんがとても手の込んだ素晴らしいお料理を作られていたいたことや、あと家族4人で調理をしたわけですけど、分担の部分があまり上手にいかなかったり、そういったところがちょっと大変でした。

                  

Myfood:お嬢さんが結構頑張っていたようにお見受けしていましたが、お嬢さんは何をされたんでしたっけ?

                  

清水娘:スイートコーンやパイナップルの缶詰をあけたり、母が刻んだたまねぎを炒めたりしました!

Myfood:お兄さんも一緒にお手伝いしてがんばってましたよね。さてそんな風に家族みんなで頑張って、はい、優勝です!って言われた瞬間はどうでしたか?

清水娘:びっくりしました!

  

清水母:言われた時よりも待っている間がドキドキして大変でしたねぇ。

Myfood:優勝が決まって、これでアイオワに本当にいけるんだ!と思った時はどうでしたか?確かお父さまはその時にたくさん、写真を撮られていましたが・・・?

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清水父:いやぁ、こんなことで行っていいのかと・・・(一同笑い)不思議 な気分というか。でもせっかくのチャンスなので。

Myfood:優勝旅行は夏休みということでコンテストからは少し日がありまし たが、アイオワに行く前にアイオワに対してどんなイメージを持たれていま したか?

清水父:行った方からの話でとにかくとうもろこし畑だらけだと。そしてそ の畑の中に農家が点在しているといった話を聞いていたのでそういう感じで した。でも実際に伺って、アイオワの人たちの生活に触れる機会を持って、 非常に素晴らしい環境で生活してらして、都市計画もすばらしい街並みを拝 見して、大変感動しました。

Myfood:みなさんそれぞれ、一番印象に残ったことはどんなことでしたか?

清水父:私は農業高校の教員をしておりますものですから農業王国であるア イオワ州の農業の考え方や教育の仕方を伺いまして、わが国でも見習うべきところは見習ってしっかりとやっていかねばという気持ちになりました。特に次世代を担う、農業という産業を背負っていく若者をどう育てていけばよいのか?ということを深く考える機会になりました。

清水母:私はそうですねぇ...1週間ではありましたがホームステイという形で家庭の中に入らせていただいて家庭生活を経験させていただいたことが一番、印象に残っています。

Myfood:旅行ではなくて日常の生活を体験したという感じですか?

清水母:はい。

Myfood:お嬢さんはどうでしたか?

清水娘:ホストファミリーのチャックやキャシーが思っている以上に優しくて、夜も一緒に遊んでくれたり、英語を教えてもらえたりしたのがよかったです。

Myfood:ホームステイをしてみてどうでしたか?日本と違うなぁと思ったりしたことはありましたか?

清水娘:う?ん、日本とはお風呂が違ったり、あと靴でおうちにあがったり。

Myfood:そうですねぇ。あとは何かありましたか?

清水娘:サンルームがあったり。あとおうちの周りに柵がなかった!

清水母:そこは日本と全然違いますよね。

Myfood:ところでアイオワやアメリカの農業についても質問させていただきますが行く前にイメージしていたことと違ったことなどありましたか?

清水父:日本とは比べ物にならない広大な大地を所有する大規模な農家が多いということで、実際に彼らの暮らしも見させていただいたわけですが規模が違いすぎて、日本とは比較にならないなと思いました。そこでまず驚きましたね。それから農家の方が企業や大学と連携して自分の土壌を試験区として研究や集積計算などをされているところが非常にすごいなと。

Myfood:産・学・官が一緒になってやっているというところですね。

清水父:はい。

Myfood:今ちょうどお嬢さんが帽子をかぶられていますが、アメリカを代表する種子開発企業に行ってとうもろこしの歴史などを見られたかと思いますが、その中で遺伝子組み換え技術についても学んでいただきましたがそういった技術についてはいかがでしたか?

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清水父:日本では遺伝子組み換えの食物はいけないという誤った固定観念が ありますけれども、事実、私もそれを信じていた部分があったわけですが、 今回アイオワに伺って研究室を拝見したり、研究員の方々のお話を伺って食 糧問題について地球規模で考えている面やとうもろこしの一粒、一粒に今ま でアメリカの研究者が関わってきた歴史があるんだなということを感じまし た。あとはとうもろこしが肉を育てていることや穀類としての位置づけなど いろんな要素を含んでいるのだということも改めて知りまして奥が深い内容 だなと。

Myfood:農業の歴史についてもインディアンに始まり現在までを見られる施 設にも行きましたが、お嬢さんはどうでしたか?

清水娘:昔は手間がかかってたんだなぁと思って、今はすごく楽になっているんだと思いました。

Myfood:そうですね。さて今回一週間の間にいろんなものを食べましたがどうでしたか?

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清水娘:豚肉が美味しかったです。えっと・・・ポークチョップ!

Myfood:美味しかったですね。料理の種類だとどういうものがよかったですか?

清水娘:タコス!あとホットドック!

Myfood:お母さまはどうでしたか?

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清水母:コンテストで優勝したレシピを現地でも作らせていただいたのです が、その際にキャシーさんがアイオワポークとアイオワビーフをその日にミンチしてくれて、それを使ったというのもあって日本で作るよりも数倍美 味しくて!我ながら美味しいなぁと「どうしてこんなに美味しいんだろう? 」といっていたらキャシーさんが「それはアイオワポークとアイオワビーフ だからよ!」って胸をはっておっしゃっていて。そんな風に地元の人たちが 自分たちの地元でとれたお肉をそういう風に思っていることが素晴らしいなぁと思いましたし、ほんとうにいいお肉なんだなと思いました。そのアイオ ワポークが日本に来てフジザクラポークになったという、友好50周年のその きっかけのところを思い出させていただくような、そんなことも一緒に感じ ていました。

Myfood:お父さまはいかがですか?

清水父:私はアイオワステートフェアで生産者の方たちが家畜の世話をしな がら出展している姿をとても美しく感じていました。肉の生産農家の意気込 みが宣伝や企画から垣間見えて力のある集団なんだなと思いました。

Myfood:大学や高校にもいかれましたが、実際に日本でも教鞭をとられているわけですが何か感じられたことはありましたか?

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清水父:そうですね・・・現状、農業の担い手を教育する現場にいて育て方もそ うですが、例えば農業高校に来る生徒が必ずしも農業に従事するというわけ ではないということもありますし、教育のシステムを考えるということが課 題なのですが、アメリカではそういった教育をとても合理的に考えているな と思いました。特に専門教育と経営教育をしっかりと結びつけて合理的に教 えているところは素晴らしいと思いましたし、大きなヒントになりました。

Myfood:農家が作業にだけ専念するというのではなく、もっとビジネスとし て捉えるという意味で?

清水父:はい、そうですね。また大学ではTeacher's Schoolという小中学校の先生に農業の農業の授業の一部を研修させて子供のたちに、小さなころから農業に触れさせるというのを伺って教育の継続性というのを感じました。

Myfood:はい。ではこの一週間で得られたものや何か将来に役立てたいといった風に思われたことはありましたか?

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清水父:農業だけではなくアメリカ文化というものにも今回、たくさんう触れさせていただいた。また初めていったアメリカがアイオワということで素晴らしいアメリカに出会えた第一歩になったなと。今回伺えて非常に光栄に思いましたし、今後も理解を深めるために機会があれば文化交流などしたいと思いましたし、アイオワの役に立てるようなことがあればとも思います。あと一番の感謝はこの企画を立ててくださったATOの福田さんです。

                  

清水母:世界は広いなということをとても感じました。そういうことを高校の生徒たちはもちろんですが、私が今後触れあう人たちに伝えていきたいなと思いました。また少しの間ではありましたが日本を出て、アイオワのお料理もとても美味しかったのですが、同時に日本の料理の良さみたいなものも再確認できた機会でした。ただやはり遺伝子組み換えの話もそうですけれども、日本は細かいところに目がいきがちというか、大きくものを見ないで自分たちのことばかりに目がいっていたのかな?ということを種子開発会社に伺わせていただいて「地球の食料をここで作るんだ!」という意気込みに触れた際に自分たちが支えられていることも感じましたし、もっと地球全体を単位にしてものごとを考えないといけないんだなということを強く感じました。まだそれに関して自分がどうすれば?というのは解らないのですが、でも自分の中でそういった気づきのあった時間でした。

清水娘:行けてとてもよかったです。それから日本とは違ってすぐにアイオワの人たちが私たちを受け入れてくれたのがよかったです。

Myfood:またアメリカに行きたいですか?

清水娘:はい。

Myfood:今日はお兄さんがこられませんでしたが、お兄さんはなにかいってましたか?

清水娘:いっぱいご飯が食べられてよかったっていってました。(一同爆笑)

Myfood:たくさん食べてましたもんね。何か息子さんに変化などありましたか?

清水母:そうですね、日本に帰った際に息子だけ先に東京から電車で帰ったのですがそれがはじめてで。今までだったら「どうしよう...」とちょっと躊躇するような面もあったのですが、主人に「解らなかったら聞きなさい」といわれて「そうだね、言葉が通じるんだもんね!」と。そういう意味では今回の経験があって成長したと思いますね。後は二人とも英語を勉強したいと。これは私どももある気持ちなのですがやはり子供のうちにそういった気持ちになれたのはよかったねという話をしました。

Myfood:今後ともこういった交流は続けていきたいと考えておりますので今後ともよろしくおねがいいたします。本日はありがとうございました。

清水一家:こちらこそありがとうございました。最後にこの素晴らしい視察プログラムを組み立てていただいたアイオワ州の方々と温かく受け入れていただいたホストファミリーのサフリス家の皆様に改めて心から感謝をしたいと思います。ありがとうございました。



アメリカ大使館農務担当ジェフリー・ウィギン公使(左)と今回のレシピ・コンテストを企画し、アイオワ滞在にも同行した福田久雄主席顧問(右)と共に。