
世界的なチョコレート・アワードで賞を受賞しているロンドンの人気ショコラティエ、ポール・A・ヤング氏を招いた「カリフォルニアプルーン プレミアムチョコレートセミナー」が、11月8日、東京調理製菓専門学校で開催されました。ヤング氏ご自身の解説を交えたチョコレートづくりの様子を間近に見られる今回のセミナーには、パティシエや小売・飲食業界に従事する人々に加え、パティシエなどを目指す学生も参加しました。また、ヤング氏の調理助手を、英国菓子教室「モーニングトン・クレセント」主宰のステイシー・ウォード氏が務めました。

ヤング氏は、イギリスで3店舗を構え、それぞれのキッチンにて全ての工程で自然な材料を使い、手作業でチョコレートをつくっています。
「材料のクオリティには一切妥協しません。また、素晴らしい材料を手に入れたときは、それ自体が持つ魅力を生かすようにしています。おいしい料理をつくるには、おいしい食材からです」
材料にこだわるヤング氏。彼が愛用しているチョコレートは、1868年にサンフランシスコで創業し、今年150周年を迎えたギタードチョコレート。ギタードチョコレートは、厳選した原料と独自のブレンドによる高い品質が評価され、多くのパティシエに選ばれているプレミアムチョコレートです。今回、それにカリフォルニアプルーンを合わせて、トリュフ(チョコレート)とチョコレートバーづくりに加えて、テンパリング(チョコレートを溶かして安定した細かな粒子の結晶をつくる温度調整作業。ツヤとなめらかな口溶けを生む)を実演しました。

カリフォルニアプルーンの魅力について、ポール氏は「カリフォルニアプルーンが、素晴らしい役割りをしています。イギリスではプルーンはお腹の調子を整えるものとして食べられていますが、ただそれだけではもったいない。チョコレートづくりにおいて、プルーンは、自然の甘味を与えてくれるのに加え、天然の保存料・安定剤としての役割りも果たします。プルーンをつかうと、チョコレートの賞味期限が非常に長くなります。これは、プルーン(ピュレ)は水分を保持する機能が高いため、水分がチョコレートに移りチョコレートの質を変えてしまうことを防いでくれるためです。この効果には、実際に使ってみてとても驚きました」と語りました。

さらに、砂糖の代替品としての魅力についても「砂糖は時間の経過とともに再結晶化してしまうが、プルーン(特に濃縮還元)は、液状の状態で質が安定していて、再結晶化しません。ガナッシュに使用した場合、ガナッシュの粘性が保たれ、滑らかさも長持ち。保水性もあるのでしっとり感も保たれます。例えば、砂糖を使ってダークガナッシュを作った場合、賞味期限は1週間ほどですが、砂糖をプルーンに代えただけで1カ月、場合によっては3カ月まで伸ばすことができました。もう1つ、バターなどの脂肪分の代替品としても非常に使え、例えばケーキに使うバターや油の変わりにプルーンのピュレを使えば、しっとり感とフレッシュさが長持ちします」と、お菓子づくりにおいて、カリフォルニアプルーンは、非常に有効な材料であることを紹介しました。