クラフトビールの人気が急速に高まっており、多種多様なクラフトビールを飲める店舗が次々とオープンしています。日本固有の「とりあえず一杯」の文化は、まだ根強く残っていますが、ビールのキャラクターの違いを楽しむ愛好家の数は、確実に増えています。
日本では、クラフトビールの人気はここ数年の話ですが、アメリカのクラフトビールの歴史は30年以上あり、その成長の勢いは、一般的なビールを優にしのぐほどです。特に、カリフォルニア、ワシントン、オレゴン、ユタといった西側にブルワリーが集まっており、クラフトビール市場をけん引しています。
世界で最もクラフトビール文化が花開いている国の一つといえるアメリカ。 そのアメリカの大人気クラフトビールに関するブリュワーズ協会のウェブサイト記事と、アメリカ構内でも有数のクラフトビールの生産地オレゴンのホップファーマーのブログの記事をご紹介します。 クラフトビールがきっと飲みたくなります。
ホッピー(ポップが強いこと)でビターなビールは、誤解されやすいビールのスタイルの1つです。この種のビールを初めて飲んだとき、ひどい味だと感じた経験がある人も多いかと思います。これは単に、苦味のあるホップに何を期待すべきなのかを理解していないからです。このカテゴリーのビールは、過去10年間の米国において最もアルコール濃度の高いビールですが、飲むのを止めると誓ったのにまた飲みたいと人々に思わせる魅力があります。その要因は、ビールと料理との組み合わせにあると思います。ビールにどれほどの苦味を求めるかは、個人の好みによって異なります。しかし、ホップのフローラルな柑橘系の香りを引き立たせる料理を添えることによって、ビールの苦味がさらに味わい深いものになります。
しっかりとしたモルトベースが、ホップの効いた良質のクラフトビールの苦味を和らげます。このスタイルのビールはホップの種類がとても豊富で、シトラス(カスケード)、パイナップル(センテニアル、チヌーク、アマリロ)、松(シムコー)、トロピカルフルーツ(ネルソンソーヴィン)といったさまざまなフレーバーが楽しめます。料理の口直しの役割をする爽やかなビールです。
モルトの要素をほとんどまたは全く持たないホッピーなビールは、一部のシーフードと相性が悪く、金属のようなフレーバーが生じます。アンバーなどのホップを使用したモルトの効いたビールやバーレーワインは、少し強めのカラメル化反応が起こり、土の香りがするキノコや脂分の多い肉によく合います。フレッシュなホップを使ったビールやインペリアルIPA(インディア・ペールエール)といった、とても風味豊かで個性的なスタイルのビールは、ほとんどの人が苦味を感じるポイントとされる100 IBU(国際苦味単位)を上回ることもあります。このようなビールは、料理の味を打ち消してしまうことも確かにありますが、ホップが強く効いたビールのおいしさは、脂分の多い料理と飲むときにさらに引き立ちます。
このスタイルのビールは、松や強い柑橘、ハーブの香りが漂い、フローラルな風味がします。例えばスパイシー、脂っこい、酸っぱいといった味覚を、多少打ち消して欲しいと感じる料理によく合います。苦味を使って強烈な味を和らげることのできるビールが、このカテゴリーに分類されます。軽めのスタイルのビールで炭酸が行う作用を、このスタイルのビールではホップが行い、圧倒されるような強烈な味を洗い流すような役割をしています。
ホッピーでビターなビールを、野菜のピクルスを添えたアドボ風の豚肩肉の蒸し煮などの料理と共にお楽しみください。CraftBeer.comでレシピを紹介しています。
この記事は、アダム・デューリーとマイケル・ハーラン・ターケルの共著による『The Beer Pantry: Cooking at the Intersection of Craft Beer and Great Food(ビールパントリー:クラフトビールと美味しい料理の交差点でクッキング)』からの転載です。著作権(c)2018年W&P。発行者:ダブテールプレス。
著者について
アダム・デューリー
「Craft Beer with Chef Adam(アダム シェフと共にクラフトビールを)」は、ブルワーズ・アソシエーションとCraftBeer.comのエグゼクティブ・シェフを務めるアダム・デューリーが執筆しています。デューリー氏はカリナリー・インスティテュート・オブ・アメリカの卒業生で、CraftBeer.comの「Beer & Food Course(ビールとコース料理)」の共同執筆者です。また、「SAVOR(R):An American Craft Beer and Food Experience(アメリカのクラフトビールと料理の体験)」、グレート・アメリカン・ビア・フェスティバル(R)での「ファーム・ツー・テーブル」パビリオン、ワールド・ビア・カップ(R)の料理監修もしています。『The Beer Pantry: Cooking at the Intersection of Craft Beer and Great Food(ビールパントリー:クラフトビールと美味しい料理の交差点でクッキング)』は、アダム・デューリー シェフとマイケル・ハーラン・ターケルの共著による新刊書です。
アダム・デューリー
「Craft Beer with Chef Adam(アダム シェフと共にクラフトビールを)」は、ブルワーズ・アソシエーションとCraftBeer.comのエグゼクティブ・シェフを務めるアダム・デューリーが執筆しています。デューリー氏はカリナリー・インスティテュート・オブ・アメリカの卒業生で、CraftBeer.comの「Beer & Food Course(ビールとコース料理)」の共同執筆者です。また、「SAVOR(R):An American Craft Beer and Food Experience(アメリカのクラフトビールと料理の体験)」、グレート・アメリカン・ビア・フェスティバル(R)での「ファーム・ツー・テーブル」パビリオン、ワールド・ビア・カップ(R)の料理監修もしています。『The Beer Pantry: Cooking at the Intersection of Craft Beer and Great Food(ビールパントリー:クラフトビールと美味しい料理の交差点でクッキング)』は、アダム・デューリー シェフとマイケル・ハーラン・ターケルの共著による新刊書です。
オレゴンのホップファーマーのブログ
>>「お疲れ、オレゴンのホップファーマー!」ブログはこちらから
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【関連ページ】
「アメリカ食材辞典/クラフトビール 」はこちらから
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