
アジア最大級の食品・飲料専門展示会「FOODEX JAPAN 2018」が3月6日~9日に、幕張メッセ(千葉県)で開催されました。世界各国の食品・飲料関係者が出展する同イベントは、最新商品やトレンドがいち早く発信されるとあって、情報収集や商談を行うため、日本全国だけでなく世界中からもバイヤーが集まってきます。43回目となる今回は、4日間で7万2428人を動員しました。同イベントのUSAパビリオンでは、55のブースに62社により、アメリカの最新の「食」が発表されました。日本初上陸・初出展のものを中心に、myfood編集部が注目した「食」をご紹介します。
真っ黒な水

会場で、まず度肝を抜かれたのが、カリフォルニア州ロサンゼルスのビバリーヒルズからやってきたGlim Waterの"真っ黒な水"。勧められるままに試飲してみると、見た目と反してさわやかな柑橘フレーバーでした。黒さの正体はココナッツの皮でつくった活性炭で、それを水と混ぜ、フレーバーを効かせているとのこと。デトックス効果が期待できるたけでなく、炭の消臭効果が働いているのか、水が持つ生臭さが全くなく、ザラザラと炭が舌に触ることもなく、すごくおいしい水でした。
同社は他にも、2種類を出展。1つは、アフリカでは昔から摂られており、近年はアメリカのセレブの間でも注目度の高い「銀」を溶かした水で、こちらは少し甘味が使えられていて飲みやすく、体内の悪い菌を除いてくれる効果があるとか。もう1つは日本でも肝臓に良いとされているウコンを溶かした水で、こちらは朝の一杯にお勧めだと紹介してくれました。
職人技のカクテルシロップ

アルコール系で、アメリカンインディアントレード・ブースのカリフォルニアワインとともにバイヤーの注目を集めていたのが、Bittermilk。正確には、バーボンやウォッカ、ウイスキーなどと混ぜることで、手軽に複雑な味わいのカクテルが作れるノンアルコールのシロップです。奥さんとバーをやっていた頃、常連客から頻繁にレシピを尋ねられたことから、自宅でも手軽に自分の味を楽しんでいただきたいとプロダクト化したとのこと。フロリダゴールデンケーンシュガーやバーントケーンシュガー、水、フレッシュオレンジピール、スパイスなど、ナチュラルな素材を調合してつくられており、甘味と苦み、複雑なフレーバーが感じらます。
パッケージもオシャレで、ギフトに最適な小瓶タイプもありました。
家庭でアメリカンBBQの味が!

アメリカの偉大な食文化の一つであるバーベキュー関連の商品も、もちろん上陸していました。赤土貿易のブースで紹介されていたのが、アメリカのTV番組で一躍人気者になったビビアン・ハワードシェフ監修のBBQスパイスミックス。アメリカ産のオーガニックスパイスがブレンドされていて、保存料や香料、着色料などは無添加で、食材に揉み込むだけで本格的なアメリカンBBQの味が楽しめるアイテムです。
フレーバーは、隠し味のコーヒー豆が赤身肉のうま味に奥行きをもたらす「赤身肉用」、あらゆる肉のうま味を引き出す「お肉全般用」、アクアパッツアやパスタなどの味も一発でキマる「シーフード用」の3種類。「赤身肉用」はハンバーグの下味として、「お肉全般用」はカレーの隠し味やマヨネーズとあえてディップとして、「シーフード用」は煮込料理の深みを出すなど、日ごろの料理に取り入れられる魅力的な調味料です。
最高品質のサンフランシスコ・キャビアがついに上陸!

美食のうれしいニュースが発信されていたのが、Tsar Nicoulaiブース。Tsar Nicoulaiが取り扱っているのは、高級食材のキャビアですが、ここのキャビアはそこらのキャビアではありません。
「Saison」「Quince」「Hashiri」「The french laundry」「Ju-ni」など、サンフランシスコのミシュラン店が愛用している最高品質であり、それが5月から日本に上陸します! 日本で独占販売するのは、築地市場の仲卸業者として長年にわたり飲食のプロと仕事をしてきた丸甲堺周水産株式会社です。
Tsar NicoulaiのブランドマネージャーのRYAN SHIINOKI氏は「できる限り自然な状態で育て、ノンフローズンでお届けしている」と品質の高さに自信を見せます。カリフォルニア州北部のサクラメント土着のシロチョウザメを、無添加・シーフード100%のペレットで育成し、ホルモン剤などは一切投与せずに自然に近い状態で飼育しています。
RYAN氏に、日本の消費者に向けてコメントもいただきました。
「日本は食のストーリーを大切にしており、それは私たちの考えと一致しています。今回、日本の皆様に私たちのキャビアを食べていただける機会が作れ、とても幸せに感じています。9月くらいには日本の市場向けに、日本の高品質な塩を使ったキャビアも展開する予定です」
女性バイヤーの心をつかんだ健康志向アイス

試食で多くの女性バイヤーの心をつかんでいたのが、アイスクリームの「Arctic Zero」です。118mlの内容量でカロリーは35カロリー、糖分はわずか5g。しかも、脂肪分フリー、グルテンフリーに加えて、GMOとラクトースのフリーなのに、試食してみると、上品な甘みが口に広がりとても美味しい......。この美味しさのヒミツをセールスディレクターのJOHN MOLINARO氏に伺うと「上品な甘さのヒミツは、東南アジアで樹勢する羅漢果です。羅漢果は小さなスイカのような見た目で、お砂糖の200倍の甘さを持つと言われています。その羅漢果を少しだけ使用することで、美味しいアイスクリームにしています」と、教えてくれました。
日本では、バニラメープル、純チョコ、塩キャラメル、バターケーキ、クッキーシェイク、チョコレート・ピーナッツ・バターの6種類のフレーバーを展開することのことで、今回の展示会で取引先も見つかったとのことです。日本でも食べられる日が近そうです。
創業時のこだわりを貫くBob's Red Mill

オレゴン州からは全米トップの穀物製粉メーカーであるBob's Red Millが出展。あらゆる穀物を取り扱っているとも言われる400商品の中から、無漂白のオーガニックの小麦粉やグルテンフリーのオーツ麦やチアシードなど、日本でも注目が高い穀物商品を中心に紹介していました。
Bob's Red Millの穀物製粉が優れているのは、100%石挽きによって粉末にしているから。巨大な石を回転させてゆっくり粉末化するため、摩擦熱で繊維質やミネラルなどの栄養素、味や香りが保たれています。この「石臼挽きによる自然食品」へのこだわりは創業当時から強く、実現できる石臼を世界中探し回ったという話も残っているようです。
会場では、その自慢の穀物粉を使ったスイーツも用意され、試食したバイヤーに「香ばしくておいしい」と評判でした。
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Taste of Americaブースでは今年も、アメリカの食の試食プレゼンテーションを開催。7日はUSAライス連合会によるカリフォルニアのお米を使った「赤い野菜とローストビーフのサラダSUSHI」の試食、8日はアメリカ産のグレープフルーツをフルーツナイフで華麗にカッティングして盛りつけるデモンストレーションと試食、最終日の9日はサンフランシスコで有名なチョコレートメーカーGHIRARDELLIのプレミアムココアの試飲と、同社のキャラメルシロップとPacific Flavorのオレゴン産ブルーベリーシロップ着けをコラボしたカナッペの試食があり、来場者の舌を楽しませていました。
その他にも、USAパビリオンには、フルーツや調味料、ナッツ、肉製品、加工食品などあらゆるジャンルの食が紹介されており、アメリカの最新の食を堪能できた4日間でした。