Home> 特集記事> 季節のイベント 2015.10_03

日常に欠かせない便利な野菜!---アメリカ産セロリの魅力



もっとも不人気な野菜?

日本ではセロリというと、嫌いな野菜のナンバーワンとしてしばしばあげられるほど、人気のない野菜とされています。子供にかぎらず大人の間でも、セロリ独特の香りや味が、苦手な人が多いようです。一方アメリカでは、大人から子供まで、幅広い世代で日常的に食されています。そのため消費量は、年間6ポンド(2,7kg, 2012) と、ブロッコリーの年間消費量 (3.0kg, 2014) に迫るほど。 日本のセロリ消費量についてはデータがありませんが、より多いと思われるブロッコリーの年間消費量でさえ1.2kg(2011)にすぎません。

この違いはどこからくるのでしょう。ひとつは家庭での食べ方にあるかもしれません。

子ども向けのポピュラーな食べ方のひとつとしては、5センチくらいの長さに切り、セロリの内側にピーナッツバターやクリームチーズを塗って食べる方法があります。さらに、その完成形ともいえそうな「Ants on the log(丸太にのったアリたち)」という食べ方もよく知られています。5~6センチにカットしたセロリの茎を丸太に見立て、内側のくぼみをピーナッツバターでカバーし(これでセロリは丸太らしい色に)その上にレーズンを2~3粒のせれば、文字通りの「丸太にのったアリたち」の出来上がり。アメリカのピーナッツバターはそれほど甘くないので、セロリとの相性も抜群。昔も今も人気のレシピです。

インターネットでこのレシピをチェックすると、「私の(またはうちの家庭の)もっともお気に入りのセロリの食べ方!」、「うちの子供に野菜(とタンパク質)を食べさせるにはこの食べ方がベスト!」というコメントや、「小さいころに、よくこうやって食べてたわ。なつかしい!」というセロリファンの声があふれています。






アメリカ産セロリの特徴

こんな手軽な食べ方が可能なのはその特徴ある形にあります。形の違いは品種の違いからきています。日本で生産されているセロリ(主にコーネルセロリ)が淡緑色なのに対し、アメリカの主流は「パスカル」という品種で、色は全体が鮮やかな緑をしています。茎は、日本の国産のものが平らで根元に向かって広がっているのに対し、アメリカ産のものは、ほぼ同じ幅で(幅約2cm、長さは約30cm)菅を半分にカットしたように内側がくぼんでいます。カットすればミニチュアの舟のような形になる、このくぼみが、Ants on the log、さらには大人向けのフィンガーフードを含めた多彩なレシピを可能にしています。

またずっしりとした重さも特徴です。一株には10本前後の茎がついているにもかかわらず比較的低価格なのでので、一食分当たりもっとも手頃な青果物であるという結果もでています。(米国農務省調査)同時に、栄養価の面でもすぐれ、ビタミンAやカリウム、食物繊維が豊富な野菜のひとつとされています。

では、具体的にアメリカでポピュラーな食べ方をご紹介しましょう。






大人のスナック?

スティックセロリもっともシンプルな食べ方といえば、スティックセロリ。とくに、アメリカ産のセロリはスジもあまりなく生でも食べやすいうえ、シャキッとした食感も楽しめるので、スティック野菜にむいています。食物繊維、ボリュームがあり、空腹を満たすにも適しているため、子どもだけでなく大人スナックとしても最適なのです。手作りのディップを添えれば、喜ばれるおもてなし料理にも。

ツナサンドやツナサラダにも欠かせない具材です。アメリカでツナサンドを買うと(家庭で作る場合も)、必ずと言っていいほど(約1cm幅の)いちょう切りにしたセロリがごろりと入っていて、柔らかいツナと対照的な食感を楽しませてくれます。同様に、アメリカでポピュラーなポテトサラダ (日本のようにマッシュポテトでなく角切りが定番)にも、しばしばセロリが入っています。

レストランやスーパーマーケットのサラダバーの定番としても活躍しています。サラダのコーナーのレタス、ブロッコリーのそばには、つねに小口切りの鮮やかなセロリが並んでいます。(そのそばにはセロリ入りツナサラダ、ポテトサラダも)

また、アメリカ人の大好きなバッファローウィング(チキンの手羽先を揚げたもの)の付け合わせとしてのセロリも定番です。レストランで出てくるホットな(辛い)ソースでからめた山盛りのチキンの脇にはセロリが添えられているのが定番。写真のように、ブルーチーズドレッシングをつけて食べるのが、伝統的な食べ方といわれています。(バッファローウィングの刺激的な味を、ブルーチーズ&セロリでや和らげながら食べます)

さらに、アメリカの南部の伝統料理にも欠かせない野菜です。ガンボのようなケイジャン/クレオール料理のベースとなる、聖なる三位一体(Holy Trinity)にたとえられる3種類の香味野菜のひとつがセロリなのです。(あとは玉ねぎ、ピーマン)






手軽な料理にも便利!

アメリカンクリームチーズとナッツで作るみそ野菜ディップmyfood.jp でも様々なレシピを紹介しています。例えば、味噌とチーズ、味噌とオリーブオイルなど、和洋折衷の味を活かした3種類ののディップは、簡単に作れるうえに赤ワインにもよく合うのでおもてなし料理にも。
>>「3種類ののディップ」レシピはこちらから





ステーキ丼、ブロッコリーとセロリごはんでセロリが苦手なお子様におすすめしたいのが、セロリのステーキ丼。セロリをみじん切りにして、ごはんとあえれば、香りは薄れ見た目も食感もアップ。焼きたてのステーキとの相性も抜群です。
>>「セロリのステーキ丼」レシピはこちらから





伸びる日本への輸出

米国で生産されるセロリの約95%はカリフォルニア産で、年間を通じて供給されています。近年、アメリカ産セロリの日本への輸出は急速に伸びています。輸出量は、この5年で倍以上になり、2014年には初めて1万トンを超えました。

その背景には、日本独特の食べ方でもある浅漬けや醤油炒めなどの、食べ方が浸透し始めていることがあげられます。以前は、限られたスーパーでしか売っていませんでしたが、今では大手スーパーでも取り扱うところが増えてきました。さらに、漬け物として商品化されるなど、加工野菜としての需要も生まれ、昨年からは大手コンビニエンスストの定番商品に、カットセロリが加わったことも輸出の伸びにつながっています。

このように、ヘルシースナックの代表格であると同時に、家庭での手軽な料理に活躍する便利な野菜です。常備野菜のひとつとして、さまざまな食べ方でお楽しみください。










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