Home> 特集記事> 季節のイベント 2015.09_04

安全、安心、もちろん「美味しい」第一回アメリカ乾燥卵スイーツ・ベーカリーシェフコンテスト授賞式



日常のレシピに欠かせない食材、鶏卵。普段づかいとしては「生卵」を食卓にあげることが主流でしょうが、いま製菓、製パンの世界では「乾燥卵」というチョイスも導き出されています。乾燥卵とは、液全卵や液卵黄に殺菌、乾燥、シフター(粉質の安定、異物除去)、充填の処理をほどこしたもの。長期保存や常温保存を可能にし、粉状に姿を変えた「たまご」なのです。世界一厳しいといわれる検査法や管理のもと生産されるアメリカン・エッグの一部は、こんな形で日本にも輸入されているわけですね。

最終審査にノミネートされたお菓子やパン2015年9月8日、東京・浜松町にてアメリカンエッグボード/アメリカ家禽鶏卵輸出協会の主催する第一回アメリカ乾燥卵スイーツ・ベーカリーシェフコンテストの授賞式が行われました。このコンテストは、アメリカ産乾燥卵の製菓・製パン分野での可能性を広げることを目的として新たに立ち上げられたもの。具体的には食品の調理や開発に従事している方を対象としてオリジナルレシピを募集したところ、全国から60もの応募がありました。最終審査をパティスリーノリエットのオーナーシェフ永井紀之氏、パン焼き小屋ツオップのオーナーシェフ伊原靖友氏、 (株)柴田書店『カフェスイーツ』編集長の吉田直人氏、アメリカ大使館農産物貿易事務所(ATO)所長のレイチェル・ネルソン氏、第一回アメリカ乾燥卵スイーツ・ベーカリーシェフコンテスト最終審査にノミネートされ緊張のおももちがずらりアメリカ家禽鶏卵輸出協会の天野いず美氏の合計5名で行い、特別賞、優秀賞、最優秀賞を決定しました。

会場となった東京瓦斯業務用厨房ショールームには、最終審査にノミネートされたお菓子やパンと、緊張のおももちがずらり。ATOネルソン所長の開会の辞が場をなごやかにすると、各賞の受賞作品が発表されました。

第一回アメリカ乾燥卵スイーツ・ベーカリーシェフコンテスト最優秀賞『surprise tamago ~びっくりたまご~』栄えある第一回目の最優秀賞は、名古屋東急ホテルの田中百恵さんによる『surprise tamago ~びっくりたまご~』に贈られました。受賞の心境を伺うと「レシピ応募を激励してくれた所属ホテルの先輩方、ボスへの感謝がなによりです」と微笑まれます。こちら、見た目はつるりとしたシンプルな作品なのですが、中をあけるとホワイトムース、色つきクリーム、マーマレードの層がぎっしり。第一回アメリカ乾燥卵スイーツ・ベーカリーシェフコンテスト最優秀賞受賞名古屋東急ホテルの田中百恵さん田中さんが自身の製作ポイントとした遊び心がまんべんなく発揮され、このたびの受賞に結びついたことでしょう。そこで調理、開発の従事者として乾燥鶏卵という素材をどう思われるか伺うと、 「まだまだ日本国内には情報が少ないですし、手に入りにくいのも確かです。今後はぜひ多くの情報発信をしていってほしい」とのことでした。

柴田書店・吉田編集長の乾杯の辞をきっかけに開かれた懇談の場では、あたたかな雰囲気のなかにも緊張感が。6名の受賞者が審査員を囲み、講評とレクチャーを受けておられました。せっかくなのでマイクを通してご講評を、と水を向けられた伊原シェフはこう語ります。「粉(=乾燥卵)という素材の選択をポジティブにとらえ、『粉だから』をメリットにしてほしいです。生卵と粉のメリハリを利かせて、粉に機能性以上のものを見つけてほしい。味の差や美味しさについては、もっと研究する余地があると思います」。そして永井シェフはこんなことも。「みなさん乾燥卵を特別な使い方にすることなく、『引き立てる』ということができていると思います。作品は見て綺麗ですし、バランスもとれています。ただし、このコンテストはまだ初回。たくさんの可能性が残されていると思います」とのこと。

今回はあいにくの豪雨のさなかの開催でしたが、非常に活発な熱気あふれる授賞式となりました。さらに切り拓かれていく「たまご」の可能性を、またご報告できればと思います。








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