さんさんと輝く陽射しのもとで海辺のホールに向かったmyfood編集部が出会ったのは、陽気で愉しいビール、またビール!

6月20日、東京・竹芝ニューピアホールにて「アメリカン・クラフトビア・エクスペリエンス」が開催されました(大阪会場は翌21日、梅田スカイビルステラホールにて開催)。オープンから少しのタイミングで入った会場には、すでに杯を重ねてリラックスムードのゲストたちがいっぱい。広いホールの角をL字型に区切り、アメリカから来たブリュワーの「お店」がずらりと並んでいます。届いたビールは各インポーター選りすぐりの樽生が約30種、日本未入荷を含むボトルビールが90種以上にも及ぶということで、国際色豊かでお目の高いゲストたちが「インターネットで情報を探しに探して、やってきました!」とニコニコする場面も。

それでは我々編集部も、お味を確かめさせていただこうではありませんか。そこでまず口にしたのがFigueroa Mountainの"Hoppy Poppy IPA"。オレンジやパイナップルのような香気を楽しみながら喉を通すと、タイトル通りのホップ感が口を潤します。IPAらしい苦みと重みが嬉しい一品です。お次はMauiの"Mana Wheat"。Wheat=小麦、の名前が表す通り、焼き立てパンのようなアロマが隠れたマーマレードの香りを引き立てます。喉ごしは軽く、食卓に合わせることにも向いていそうです。そして次はLEFT HANDの"Good Juju"。生姜を使った夏季限定ビールで、南国ジャマイカをイメージして醸造されたものだそう。鼻につんと抜ける生姜の舌触りが、意外にも刺身や寿司に合わせられるのではないだろうか......? などと思わせてくれました。

そして次なるはVICTORY BREWINGの"Sour monkey"。日本初上陸とあってゲストの関心も上々で、夕方近くには売り切れてしまったそう。文字通り酸味のフィニッシュが強力で、ぴりぴりと口を洗ってくれる感覚は、食中のシャーベットにも似た使い方を想定させてもくれました。単純に、サワー感を楽しんで回し飲みするのも愉しそうです。まだまだ行きます。Sierra Nevadaの"Pale Ale"は、グレープフルーツなど柑橘系の香りとフレーバーが楽しめる爽快系。すいすい行ける魔力があります。Kona Brewingの"Castaway IPA"は、ホップの強い苦みと香りが特徴的。モルトが深くしみこむフルボディです。

ビールといえばおつまみもね、と見回すと、バッファローウィングやサルサなどの定番おつまみ屋さんとともに、なにやら新顔めいたものが......。高さ(分厚さ)のあるキッシュのような生地に、熱々たっぷりのトマトソースが詰まった「シカゴピザ」。現在ご当地グルメのひとつとしてアメリカ本土でも人気のところ、ついにアメリカ人オーナー氏が日本でも扱うお店を出したのだとか。「Devil Craft」という名前のお店で都内にも現在2店舗が展開されています。
会場をクロールしながら軽快なBGMに身を任せていると、今度は壇上から陽気な声が。近寄ってみると、多くのアメリカ人ブリュワーさんが、自慢のグラスを手に微笑んでいるではありませんか。皆さん口々に、自社製品が日本で愛されることを祈願しておられました。そしてその「応え」は会場中の笑顔に見つけられた模様でした。
アメリカンクラフトビールのさらなる振興を祈りながら、編集部もフワフワと美味しい笑顔の波の中に消えていくのでした。