おめでとう、アメリカ!
アメリカには大晦日や元旦とならぶほど、多くの人たちが楽しみに過ごすスペシャルな一日があります。それが7月4日、独立記念日。この日を記念し日本でも、アメリカ大使公邸において恒例のパーティが催されました。

7月2日、パーティ開始の直前から幸運にも雨雲を払いのけた公邸庭園には、シックな白いテントが回廊状に立ち並びます。モザイクタイルも目に美しい噴水と、メイン会場を取り囲んだテントには、色とりどりのフードや飲料のブースたち。それもそのはず、今年のパーティのテーマは"NATION OF NATIONS"。さまざまな国(=Nations)の文化を吸収しながら発展をつづけるアメリカらしさを、各国料理やそれらを取り込み自国化した料理の数々で表現し、ゲストに笑顔で振る舞うものなのです。

招聘されたジャズピアニスト小曽根真さんの奏でるガーシュインの大名曲「ラプソディ・イン・ブルー」のきらめきに心を浮きたて、キャサリン・ケネディ大使による開会の辞を拝聴してから、さっそくmyfood編集部もグルメな旅行に出発です!

メジャーリーグのユニフォームに身を包んだ、笑顔の女性たちが供するハンバーガーはもちろんUSビーフ製。肉の食感もきゅっとして、食べごたえに溢れる一品でした。

ビーフときたら、ポークも頂きたいところ。今や国境を越えてテックスメックス(=メキシコ風アメリカ料理)となったブリトーには、USポークや野菜、チーズがぎっしり。

パスタサラダにはナスやトマトなどたっぷりの夏野菜とモッツァレラが和えこまれ、穏やかながら奥深い酸味の効いた季節感を感じました。

威勢の良い板前さんたちの動きに見惚れるのが、日本からの出展ブース。天ぷらにはアラスカ州のタラバガニがお目見えしました。口中に広がるとろりとした食感に心もほどけ、和食に対するアメリカの寄与を深く銘じました。

寿司ブースで用いられたのは、大分産のブリ、ヒラメのほかはすべて「アメリカ」。ニューヨーク州の本マグロに、お米もなんとカルロース。弾力のあるお米の触感は普段わたしたちが触れる「寿司」とは別物ですが、それもまた"NATION OF NATIONS"。ひとつところに留まることをしない、新たな味の冒険を感じさせてくれました。

お酒のブースも活況です。ウィスキーにワインにビール、どちらも大勢のゲストが足を止めます。たくさんのご馳走にお腹を膨らませた編集部は、美しいプールサイドでビールをごくり。Sierra NevadaのPale AleやIPAなど飲み比べ、暮れなずむ東京のさざめきを新たにしました。

ワインブースで素敵だったのが、Frog's LeapのSauvignon Blanc Rutherford(ソーヴィニョン・ブラン・ラザフォード)。カリフォルニアにおけるオーガニックなビオディナミ(化学的なものを排除し、農業暦に従う特殊な有機農法)の第一人者と呼ばれています。優しい印象の多いナパワインでありながら、非常にくっきりとした辛口の味わいにシトラスのアロマが残ります。

そしてお酒のあとはスイーツも。コアントローの入ったスポイトを刺したクリームブリュレドーナツは、この春に日本初上陸したばかりのお店、CAMDEN'S BLUE STAR DONUTSより。自分でお酒の量を調整しながらいただくサクサクふわふわ、シュガーグレイズたっぷりの幸せと「お遊び感」で、話題を呼びそうな予感がしました。

マグノリアベーカリーのカップケーキは、たくさんのシュガークリームに乗った星条旗がとってもポップ。

イギリスコーナーからは、サックサクのスコーンと、サマープディングの取り合わせ。ベリーな層を掘り進むと、口中を洗う爽やかな甘みが食後のひとときを楽しませてくれました。
笑顔のゲストと飛び交う「おめでとう!」の言葉にハッピーをたくさんもらいながら、美味しい旅路は続きました。来年も、再来年もお約束したい、ハッピーバースデー、アメリカ!