Home> 特集記事> 季節のイベント 2015.06_02

アメリカ先住民の知恵 ブルーベリー



小さな粒からあふれる栄養

Let's ブルーベリー料理(イメージ)小さな果実をひとたび噛めば、みずみずしい酸味と甘味があふれだす――。日本も梅雨のシーズンを迎え、せめても爽やかさを食べ物から取り入れたい、という方も多かろうと思われます。そんな折のチョイスのひとつとして、栄養・滋養に富み、手軽に摂取できるかわいらしいフルーツ、ブルーベリーはいかがでしょうか。

ブルーベリーといえば「目に効く」と即答される方も多いのではないでしょうか。その通りなのです。可食部に含まれる成分アントシアニンはポリフェノールの一種で、眼精疲労の改善が期待できるのです。また、抗酸化作用によって活性酸素を取り除く効果も期待できるため、目のみならずカラダに効く、と言えるでしょう。また、多く含まれるビタミンEがもたらす効果として、高血圧予防も期待されるところです。

近年では季節に応じた産地替えも奏功し、年間を通じて食べることのできるブルーベリーですが、フレッシュなものを手に入れたいのであれば、なんといっても旬は夏。「ナショナルブルーベリー月間」と呼ばれる7月には、原産地となるアメリカの各地にて、その収穫を祝って「ブルーベリー・フェスティバル」が賑やかに開催されるのも風物詩です。


先住民の知恵を受け継いで

Let's ブルーベリー栽培(イメージ)それではブルーベリーは、いかにしてアメリカ人の生活に結びついたのでしょうか。17世紀初頭、北米の開拓者たちは先住民たちの知恵を受け、かの地に自生していたブルーベリーを食品として、ならびに生薬として重宝しました。そのまま食べるだけでなく、スープやシチューにも取り入れていたと言われています。食糧の貴重な時代、ブルーベリーはアメリカ開拓の歴史に沿う「栄養の素」でもあったのです。そして時代は進み1916年になると、ニュージャージー州ホワイトボグ・ビレッジにて、エリザベス・ホワイトとフレデリック・コヴィレ博士の両名がその栽培に成功しました。何十年以上もの間、植物交配研究家や病理学者たちによる取り組みあっての成功です。現在、北米が世界のブルーベリー産出量の90%近くを占めることになったのも、こうした歴史あってと言えるでしょう。

さてわたしたちは「ブルーベリー」とひと口に呼びますが、品種は大きく分けて3種類あります。北米原産で寒冷地向き、粒の大きな品種「ハイブッシュ」、米東南部原産で暖地向き、ウサギの眼に似た熟し方をする、粒の小さめな品種「ラビットアイ」、米北東部やカナダ、北欧に自生する、主に加工に向いた品種「ローブッシュ」。これらのなかでも、わたしたちが触れることの多い品種はハイブッシュとなります。


オススメ! ブルーベリーの保存方法

Let's ブルーベリー(イメージ)さて、鮮度のよいブルーベリーを手に入れたとしても、意外に悩ましいのがその保存法。本当はフレッシュな粒をそのまま食べるのが最高だとは分かっていても、現代人にはなかなか食べるタイミングが難しいもの。だからといって自己流にフリーズさせても水分が逃げてぺしゃりとしてしまったり、冷蔵庫に入れてもすぐに味を落としてしまったり......。そこで今回は、カリフォルニア・ブルーベリー委員会のまとめた良質な保存法をひとつ。

購入したブルーベリーをクッキングシートの上に並べ、冷凍庫に入れること。凍結前に「水で洗わない」ことがコツとなります。こうして凍結させたあと、密封できるビニール袋か冷凍コンテナに移して冷凍保存しましょう。使いたいポーションだけを冷凍庫から取り出して、水洗いしながら解凍するのも大切なポイントです。数回の冷凍・解凍を繰り返すと、粒の大きさは失われてしまうので、「ちょっとずつ出す」ことを心掛けましょう。

そのまま食べてもよし、砂糖と煮立ててジャムにするもよし、タルトに並べてお菓子にするもよし......。キュートで栄養豊富な果物=ブルーベリーで、みなさまも夏という旬の季節を楽しんでみてはいかがでしょうか。










IMG: アメリカ先住民の知恵 ブルーベリー(イメージ)