いまアメリカの食生活で最もホットな話題は――?
セレブから一般の市民まで、大勢の人々が健康的な食生活への感心を持っているアメリカ。
そこで大きな話題になっている食生活法が「マクロビオティック」。通称「マクロビ」です。
その語源は古代ギリシャ語の「マクロビオス( Macrobios)」。「健康の長寿」という意味を指し、18世紀から欧米で長寿学の一環として研究が進められました。玄米などの穀物を主食とし、有機農産物や自然農法の野菜や海草を食べるというもの。今回は、そんな健康な食生活を取り上げている様々な書籍をご紹介します。
『The Honest Life』

最初の一冊は、ハリウッドで活躍する女優ジェシカ・アルバの『The Honest Life』。こちらは2008年に結婚し、現在では2児の母となったジェシカの、幸せかつ健康的な生活の秘訣が書かれています。「この本は健康な生活を送りたいと願っているけど、まだ行動を起こしていない人達のために書いた」とメディアで語っていたジェシカですが、その発言の通り、本書は非常に入門者に優しい内容。安価な材料で明日からでもできる健康なレシピが多数収録され、本の中で「完璧に実行することはなく、完璧にこなすことは本来の目的ではない」と繰り返し述べているなど、自分のスタイルを徹底させるわけではなく、あくまで入門マニュアルにとどめているのです。また、食品だけにとどまらず、オーガニックな化粧品や芳香剤、果ては自家製スクラブやコンディショナーに至るまで、グウィネスとはまた一味違う、様々な「ジェシカ流健康生活」を堪能できる一冊となっています。
『パトリシオのハッピー・マクロビオティック・スイーツ』

次に紹介するのは、日本でもマクロビオティック講師としても有名な、パトリシオ・ガルシア・デ・パレデスさんの著書『パトリシオのハッピー・マクロビオティック・スイーツ』です。スペインで生まれたパトリシオさんは、母が病気治療として始めたのをきっかけにマクロビオティック食へ触れ、後にアメリカへ渡って日本人の久司道夫さんの元でマクロビオティックを学んでいます。本書では1章で簡単なスイーツ、2章では野菜を使ったスイーツ、3章では和菓子をアレンジしたスイーツ、4章は特別な日に食べるスイーツを紹介しており、王道であるショートケーキからよもぎ大福まで、バリエーション豊かなスイーツが、ヘルシーかつ美味しく食べられるレシピを沢山紹介しています。各スイーツのページにはパトリシオの一言コメントがついており、素材本来の特性を最大限に活かす、ヘルシースイーツの教科書としても優秀です。中には家庭の食卓だけではなく、忙しいデスクワークの中で食べるにも最適な、穀物やナッツ、ドライフルーツを大量に凝縮した、栄養満点かつヘルシーな「エナジーバー」など、趣味としての料理だけではなく、実用性も兼ね備えたレシピも収録され、健康な食生活を送りたい人ならば、誰にでもおすすめできる一冊です。レシピはパトリシオがアメリカで学び、その後世界中を巡る旅の中で得た数々のアイデアや、4人の娘の父親という立場から得た経験に基いており、「スイーツも沢山食べたいけれど、健康も大事!」。そんな贅沢なスイーツ好きの人達には、必読の書になるでしょう!
『世界が認めた和食の知恵』

そんなマクロビオティックのルーツに迫る本として、持田鋼一郎さんの『世界が認めた和食の知恵―マクロビオティック物語―』もおすすめです。本書では明治自体の日本陸軍の薬剤監・石塚左玄の「食養」と「正食」という、人間の長寿と健康のために、穀物と野菜を主体とした伝統的な和食が望ましいといった主張の解説に始まり、歴史の発展とともに、日本の食文化がどのように外国と交わり、どのように外国の国民に日本の健康的な食事が受け入れられていったかが書かれます。石塚左玄が提唱した「玄米菜食」を基本とする食養を実践する「食養会」の歴史との接点や、先に取り上げたパトリシオが師事した久司道夫さんの渡米など、現在アメリカで大流行しているマクロビオティックに、歴史という観点で切り込んだ、とても興味深いアプローチの一冊となっています。実践だけではなく、こうした歴史的観点からデトックスフードについて学んでいくのも一興です。
『マクロビオティックを楽しむための7つの方法』

マクロビオティックの実践をとてもわかりやすい切り口で解説しているのが、新潟県新潟市で料理教室「マクロビオティック屋たね」を営む佐藤美奈子さんの著書『マクロビオティックを楽しむための7つの方法』。短大で栄養学を学んだ後、マクロビオティック食に大きな衝撃を受け、いまではマクロビオティックの実践者となった佐藤さん。第一章から第二章では、第一子を出産後に乳腺炎を患い、これまでの食事を医師に指摘され、衝撃を受けた後にマクロビオティックへとすっかりはまっていく様子や、「マクロビオティックに関する仕事に就きたい」という思いからの企業への決意......マクロビオティック料理教室を開き、様々な人にマクロビオティックを教える中での悩み、そしてその中での気付きなど、マクロビオティックをきっかけに、人生での新たな視点が切り開かれていく過程が描かれます。そして、第三章では本書のタイトルにもなっている、「マクロビオティックを楽しむための七つの方法」に触れられ、佐藤さん自身の経験を元に、頭を固くせず、肩に力を入れずに、楽しくマクロビオティック食生活を実践するコツが解説されます。本書は、佐藤さんがマクロビオティックの虜になり、実際に料理教室を開くまでに至った経緯から知ることができるため、健康な食生活の、精神面での入門書として非常に有益な一冊でしょう。
今回、様々な書籍を紹介してきましたが、どれを選ぶかはあなた次第!様々な人々の経験に基づいた書籍を通じて、今アメリカで大流行している、ホットで健康な食生活を自宅へと持ち込む第一歩を、本を参考に踏み出してみるのはいかがでしょうか?今回紹介した書籍は、全てAmazon Kindleで購入可能な書籍です。是非、健康的な食生活へとチャレンジしてみてください!