アメリカの一年を締めくくる伝統的なイベント「サンクスギビング(感謝祭・Thanksgiving)」。この「感謝祭」の祝日が来ると、アメリカの家庭では詰め物をしたターキーの丸焼きをつくり、マッシュドポテトや温野菜、アップルパイなどといっしょに食事をします。アメリカの定番食ともいうべきメニューを家族でいっしょに食べる、大事な日なのです。
アメリカの映画では、この「感謝祭」をモチーフにした作品がいくつか存在します。今回はその映画をご紹介しつつ、「感謝祭」の楽しみ方や独特な食文化に注目してみましょう。

「感謝祭」という独特な文化がアメリカでなぜ生まれたのか。その歴史をわかりやすく示してくれる作品が、アニメ映画『ポカホンタス(原題:Pocahontas)』(1995年/マイク・ガブリエル監督・エリック・ゴールドバーグ監督)です。
この作品の舞台は植民地時代のアメリカ。原住民ネイティブ・アメリカンの娘ポカホンタスと、イギリスから来た開拓者ジョン・スミスのラブストーリーを描いています。
古くからこの土地に根差すネイティブ・アメリカンのパウアタン族と、イギリスの移民たちは一触即発の対立状態に突入します。出会った瞬間から恋に落ちたポカホンタスとジョンは、その戦いを止めようと奮闘しますが、族長はジョンを捕え、処刑するように命じます。「私たちは出会わなければよかったの?」と戸惑うポカホンタスに、「僕は明日死んでもいい、君を知らずに百年生きるなら」と答えるジョン。まさに感動的なシーンが描かれるのです。
この作品のモチーフになったのは、17世紀にアメリカにやってきたイギリス移民ピルグリムファーザーズのエピソード。ポカホンタスやジョン・スミスは実在の人物として、信仰の自由を求めてアメリカに移住したイギリスの清教徒(ピューリタン)たちはアメリカの荒野に自分たちの住居を建てました。その土地は枯れていたため厳しい生活を強いられましたが、彼らはネイティブ・アメリカンたちと平和条約を結び、作物の栽培知識を教えてもらうことでなんとか冬を乗り越えることができたのです。そのお礼として、収穫期にネイティブ・アメリカンたちとともに祝宴をしたことが「感謝祭」が生まれたきっかけだったといいます。
「感謝祭」の起源には諸説あり、このピルグリムファーザーズのエピソードは一説にすぎません。ですが「感謝祭」の裏側には『ポケホンタス』のようなラブストーリーがあったと考えると、ロマンチックではないでしょうか。
この作品の舞台は植民地時代のアメリカ。原住民ネイティブ・アメリカンの娘ポカホンタスと、イギリスから来た開拓者ジョン・スミスのラブストーリーを描いています。
古くからこの土地に根差すネイティブ・アメリカンのパウアタン族と、イギリスの移民たちは一触即発の対立状態に突入します。出会った瞬間から恋に落ちたポカホンタスとジョンは、その戦いを止めようと奮闘しますが、族長はジョンを捕え、処刑するように命じます。「私たちは出会わなければよかったの?」と戸惑うポカホンタスに、「僕は明日死んでもいい、君を知らずに百年生きるなら」と答えるジョン。まさに感動的なシーンが描かれるのです。

「感謝祭」の起源には諸説あり、このピルグリムファーザーズのエピソードは一説にすぎません。ですが「感謝祭」の裏側には『ポケホンタス』のようなラブストーリーがあったと考えると、ロマンチックではないでしょうか。
「感謝祭」の料理をめぐる映画が『エイプリルの七面鳥(原題:Pieces of April)』(2003年/ピーター・ヘッジ監督)です。人気女優ケイティ・ホームズが演じるエイプリルが、余命わずかな母のために、感謝祭のロースト・ターキーをつくるというコメディ。
物語は、これまで料理をつくったことのないエイプリルが、七面鳥をオーブンで焼こうと奮闘するシーンからはじまります。長年家族と仲たがいをしてニューヨークで暮らしていたエイプリルが、「感謝祭」にあわせて郊外に住む家族をディナーに招こうとしていたのです。ところが、オーブンが壊れていて、火が入らないことが発覚。エイプリルは、オーブンを貸してくれる人を探すのだけど......。
コメディ仕立てでありながら、じんわりと感動できる内容に仕上がっています。
ロースト・ターキーは腹部に野菜や果物などのスタッフィングを詰めて、オーブンで丸焼きし、グレービーソースやクランベリーソースをかけるというもの。調理法そのものはシンプルだけど、それぞれの家庭によってアレンジをすることで「我が家の味」ができあがります。「感謝祭」のメニューが、家族をつなぐ絆になる。料理の大切さが伝わってくる作品といえるでしょう。
物語は、これまで料理をつくったことのないエイプリルが、七面鳥をオーブンで焼こうと奮闘するシーンからはじまります。長年家族と仲たがいをしてニューヨークで暮らしていたエイプリルが、「感謝祭」にあわせて郊外に住む家族をディナーに招こうとしていたのです。ところが、オーブンが壊れていて、火が入らないことが発覚。エイプリルは、オーブンを貸してくれる人を探すのだけど......。

ロースト・ターキーは腹部に野菜や果物などのスタッフィングを詰めて、オーブンで丸焼きし、グレービーソースやクランベリーソースをかけるというもの。調理法そのものはシンプルだけど、それぞれの家庭によってアレンジをすることで「我が家の味」ができあがります。「感謝祭」のメニューが、家族をつなぐ絆になる。料理の大切さが伝わってくる作品といえるでしょう。
「感謝祭」は家族が一同に会す場でもあります。「感謝祭」で家族が顔をあわせたことで起きる、事件を描いている作品が『ハンナとその姉妹(原題:Hannah and Her Sisters)』(1986年/ウディ・アレン監督)です。
ミア・ファローが演じるハンナは三姉妹の長女。元俳優の父母のもとで育ち、自分も女優として活動しつつ、夫と平和な家庭を築いています。そのハンナと三姉妹が毎年恒例の「感謝祭」のパーティで再会したとき、それぞれの思わぬ関係が明らかになって......。
本作ではニューヨークのマンハッタンを舞台に、スタイリッシュな生活と伝統的な「感謝祭」の姿が描かれます。ウディ・アレン監督は
『ブロードウェイのダニー・ローズ』でも「感謝祭」の食事シーンを描いています。ユダヤ系の血をひくウディ・アレン監督が描く、アメリカ文化は見ごたえがたっぷりです。
ミア・ファローが演じるハンナは三姉妹の長女。元俳優の父母のもとで育ち、自分も女優として活動しつつ、夫と平和な家庭を築いています。そのハンナと三姉妹が毎年恒例の「感謝祭」のパーティで再会したとき、それぞれの思わぬ関係が明らかになって......。
本作ではニューヨークのマンハッタンを舞台に、スタイリッシュな生活と伝統的な「感謝祭」の姿が描かれます。ウディ・アレン監督は

あともうひとつ「感謝祭」を題材にした映画で忘れてはいけないのは『セント・オブ・ウーマン / 夢の香り(原題:Scent of a Woman)』(1992年/マーティン・ブレスト監督)です。こちらは「感謝祭」シーズンに出会った青年と盲目の元軍人の交流を描いた作品。
主人公チャーリー(クリス・オドネル)は「感謝祭」シーズンに、あるアルバイトを引き受けます。それは家族との旅行を拒否した、盲目の退役軍人フランク(アル・パチーノ)の世話。フランクは気難しい毒舌家で、家族すら拒絶していました。チャーリーは「感謝祭」シーズンを、フランクとともに過ごすことになるのです。「感謝祭」シーズンを舞台に、人々の心の交流が丁寧に描かれていく名作といえるでしょう。アメリカの人々が、いかに「感謝祭」を大切にしているかが伝わってくる作品になっています。
主人公チャーリー(クリス・オドネル)は「感謝祭」シーズンに、あるアルバイトを引き受けます。それは家族との旅行を拒否した、盲目の退役軍人フランク(アル・パチーノ)の世話。フランクは気難しい毒舌家で、家族すら拒絶していました。チャーリーは「感謝祭」シーズンを、フランクとともに過ごすことになるのです。「感謝祭」シーズンを舞台に、人々の心の交流が丁寧に描かれていく名作といえるでしょう。アメリカの人々が、いかに「感謝祭」を大切にしているかが伝わってくる作品になっています。

なお、ほかにも「感謝祭」を描いている作品はいくつかあります。ぜひ、こちらもご覧になってアメリカ独自の文化とメニューを楽しんでください。
『ホーム・フォー・ザ・ホリディ 家に帰ろう(原題:Home for the Holiday)』
(1995年/ジョディ・フォスター監督)
『家族という名の他人(原題:THE MYTH OF FINGERPRINTS)』
(1997年/バート・フレインドリッチ監督)

『アイス・ストーム(原題:The Ice Storm)』
(1997年/アン・リー監督)
『ユー・ガット・メール(原題:You've Got Mail)』
(1998年/ノーラ・エフロン監督)
(1995年/ジョディ・フォスター監督)
『家族という名の他人(原題:THE MYTH OF FINGERPRINTS)』
(1997年/バート・フレインドリッチ監督)

『アイス・ストーム(原題:The Ice Storm)』
(1997年/アン・リー監督)
『ユー・ガット・メール(原題:You've Got Mail)』
(1998年/ノーラ・エフロン監督)
