Home> 特集記事> 季節のイベント 2013.05_02

~本場のニューオーリンズ料理(クレオール&ケイジャン)が楽しめるお店~



こんにちは。リサです。
アメリカの食文化の特徴は、何よりもその多様性にあるといわれます。移民とネイティブアメリカンの食文化が、アメリカ各地で融合し、その土地の特産物を生かしたさまざまな料理を生みだしてきました。このような歴史的背景を色濃く反映したアメリカの多様な地域料理(リージョナル・クイジーン)は、今も進化を続けています。

今回はそうした地域料理の中から、アメリカ南部の代表的料理(クレオール&ケイジャン)を皆さんにご紹介します!

ジャズフェスティバルで知られるニューオーリンズ。その本場の味を満喫できるお店が、最近、おしゃれなショップやカフェが立ち並ぶ大阪市西区北堀江にできたと聞いて、さっそくおじゃましてきました。

シーシー・ハイデルさん「ビストロ ニューオーリンズ」と書かれた看板を見ながら入り口のドアを開けると・・・ニューオーリンズの赤煉瓦をイメージした内装、木目調のテーブル、壁には大きな百合の紋章(フランスの伝統的シンボル)と、異国風の空間が広がっています。ビストロ ニューオーリンズ/壁には大きな百合の紋章そして、ワイングラスが用意されたオープンカウンターから出迎えてくれたのが、 ニューオーリンズ出身の「陽気なおやじ」、シーシー・ハイデルさんです。

「地元の人たちに親しまれている料理を食べてもらいたい」と、日夜腕をふるっています。



"Fun and affordable"

ルイジアナ/プランテーションかつてはフランス領であったニューオーリンズの料理には、ヨーロッパ、南北アメリカ、アフリカなどさまざまな地域からの移民の食文化が色濃く反映されています (1803年にアメリカがルイジアナを含めた領域を買収)。 シーシーさんによれば、ボストンやニューヨークなどのように移民の母国文化が強く残っている地域と違い、ニューオーリンズはまさに"Melting Pot"、 食文化(クレオール料理、ケイジャン料理)もそれを反映しているそうです。

クレオール料理は、フランス、スペイン、イタリアなど欧州からの移民の文化、欧州の古典的食文化の影響をうけ発展してきました。アフリカ、南北アメリカの影響も受けています。(富裕層の文化の影響をうけ)都会的ともいわれるこの料理は、バターやベーコン、小麦粉から作るルーをベースに、クリームやハーブ、スパイスを多用します。

一方、ケイジャン料理は、カナダからミシシッピ川を下って移住した(仏語を話す)アカディア人の料理に由来し、比較的シンプルで地元の素材を活かした庶民的料理(rustic, robust) といわれています。同じルーでもバターではなく食用油、油脂が、香辛料としてはハーブよりは唐辛子が使われます (アカディアがなまってケイジャンとなったとも言われます)。

ここ「ビストロ ニューオーリンズ」では、現地と同様、Bourbon Street, New Orleansクレオール、ケイジャン両方の本場の味が、お手ごろな値段で楽しめます。 しかも、ホスピタリティあふれるシーシーさんとの会話も楽しみながら。ニューオーリンズ市の愛称は、ニューヨークのBig Appleの愛称に対抗して(?)"The Big Easy"。Easyとは「気楽に、くつろいで」という意味ですが、その名の通り、シーシーさんは「気軽に声をかけてください」と話します。ちなみに、典型的なニューオーリンズの人のイメージを伺うと、"in love with food" というお答え。それは大阪の食い倒れ文化と通じるところもありそうです。

それではその「本場の味」をご紹介しましょう。


Gumbo

ガンボニューオーリンズ料理といえば、まずはなんといっても「ガンボ」(1,200円)。ガンボの 基本は小麦粉とバターで作る茶色のルー。そして欠かせないのが聖なる三位一体(Holy Trinity)にたとえられる3種類の香味野菜、玉ねぎ、セロリー、ピーマンです。これらをスパイスとともにじっくり煮込んで作られ、一言では表現できない深い味わいが特徴です。カレーのように米とともに供されます。

一般的に、クレオール風ガンボは、エビやカニなどのシーフードを使い、さらにソーセージやチキンも用いる場合もあります。一方、ケイジャン風はシーフードかミートのどちらかを使います。もちろん各お店のスタイル、家庭の伝統によっても違い、バリエーションはとても豊かです。

ガンボ調理ビストロ ニューオーリンズのガンボは、イタリア系移民であるシーシーさんのおばあさんのレシピがベースのクレオール風。手作りのルーに前述の3種の野菜、シュリンプ、チキンを加え、ガーリック、タイムなど、地元から取り寄せたものも含めて10種類近いスパイスを使って、4-5時間煮込んで作られます。

アメリカの家庭料理の原点は Comfort food(ほっとする家庭料理)と言われますが、ガンボはまさにその代表例でしょう。こうした新鮮な食材をじっくりと煮込んで手間をかけた(お母さんが作ってくれたような)料理を口にするとどんな疲れも吹き飛びそうです。


Fried Catfish & Hush Puppies

フライド・キャットフィッシュ米南部のミシシッピ川や湖でとれるナマズ(Catfish)は、昔からこの地に移り住んだ人々に親しまれてきた魚です。 淡白でほのかに甘いこの白身魚を、ヨーグルトベースのソースにつけ込んでアメリカ南部の食卓には欠かせないコーンミール(とうもろこしの粉)と小麦粉をまぶしてカラリと揚げたのがこの料理「フライド・キャットフィッシュ」(650円)。つけ合わせは、コーンミールを団子風にまるめて揚げたハッシュパピーズ。とてもまろやかでしっとりした食感で、ホースラディッシュ(わさび)のきいた自家製フレンチ風レモラードソース(タルタルソース風)で食べるのがニューオーリンズ風。さくさくの香ばしさが食欲をいっそうそそります。

これらは、全国ツアーのために来日し、大阪でのコンサートの合間に立ち寄ったシンガー、アダム・ランバートも「まさにComfort food"!」 とお気に入りだったそうです。


Surf & Turf Sandwich

サーフ・アンド・ターフ・サンドイッチがっつりとボリュームのある料理を堪能したい方にぜひ食べていただきたいのが「サーフ・アンド・ターフ・サンドイッチ」 (1,250円)です。サーフとターフと韻をふんだこのネーミングの由来は、Surf=波とTurf=陸、つまり日本語でいう海のものと山のもの。 ここでは、Surfはケイジャン風スパイスで味付けしたエビ、Turfは、肉の旨味を逃がさないようにしながらトロトロになるまで煮込んだローストビーフ。手間をかけたふたつの料理の美味しさをひとつにはさんだ贅沢な一品です。パンから具がはみでるほどはさまれたメニューの写真を見れば、誰もが試さずにはいられなくなりそうですね。

そんなダイナミックな料理は、フォークとナイフでお上品に食べようとするのはタブー。地元の人のように「思いきりかぶりついて」とシーシーさん。口のまわりにソースがついて、そのソースを指で舌でふきとって...それが何よりの「ほんとうに美味しかったよ」というメッセージとのことです。


Red Beans & Rice

レッドビーンズ&ライスそのほか、月曜日の家庭料理といわれるレッドビーンズ&ライス(650円)も、アメリカ産の赤いキッドニービーンズの優しい味が日本人の口にはとても合います。(なぜ月曜日かというと、 ニューオーリンズに多いカトリック教徒の家庭では、日曜日は教会の日。洗濯機が普及する以前は、月曜は教会に着ていった正装を洗濯する日(Wash Day)とされ、一日かけて手洗いをするのが習慣でした。そこで、朝下ごしらえをして鍋でコトコト煮ておけば夕食時までに出来上がる、この料理を食べる習慣が生まれたそうです。)

その他、シーフード豊かなニューオーリンズではオイスター料理も欠かせません。「ビストロ」では、クリーム煮にしたオイスターで作ったパスタが名物ですが、これはいわゆる「プレイ」といわれる部類に入る料理です。「プレイ」とは、本格的な料理、伝統料理に対して、お店のオリジナル、遊び心ある料理という意味で、地元では、こうした伝統料理をシェフが独自にアレンジした料理も人気です。

さらに、クレオール風ほうれん草のクリーム煮(350円) 、ジャンバラヤ(800円)、マック・シュー(とうもろこしのスパイシートマトソース煮込み、500円)、モッフォレッタ・サンドイッチ(1,200円)、ショリス(チョリソー)サンドイッチ(700円)など、多様な食文化を反映したさまざまな料理が用意されています。

どの料理も、ニューオーリンズが発祥といわれるカクテルや、カリフォルニアワイン、バーボンなどのお酒との相性も抜群。
シーシーさんは、英語でいう"Neighborhood Restaurant"、つまり「近所のなじみのお店」でありたいと話します。

そんな「ビストロ」には、嬉しいことに、グループでもカップルでも、そしてひとりでもくつろげる居心地のよいスペースが用意されています。「つきあって初めてのデートにも使ってほしい」と話されるシーシーさん。日常を離れ、新鮮な食文化に触れながら美味しい料理をシェアすれば、会話も大いにはずみそうです。



【店舗DATA】
ビストロ ニューオーリンズ
大阪市西区北堀江1-15-10 第3川辺ビル
06-6543-7071
営業日 15:00 -23:00
定休日 火曜日(ただし、時々変わるのでFacebookで要確認)
http://www.bistro-neworleans.com/
http://www.facebook.com/groups/264005020383114/






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