この夏、天然の鮭の美味しさをもっと多くの人に知ってほしいと、大阪市内のレストランで「天然鮭を食べる会」が発足しました。 主催者は、水産物の販売に携わる佐々木通昌さん。「(養殖の魚は)脂がよく乗っていて、美味しい!」という魚の脂の多さだけ強調する最近の風潮が気になっていた佐々木さんが、「天然の鮭は、養殖に比べて多少脂が少なくても、塩で旨味をだしたり、酢でしめたりして、美味しく食べられる。旬に応じた天然の魚のよさをもっと発信しよう」と『欧風食堂millibar』の経営者奥山天堂さんによびかけ、意気投合したふたりがスタートさせた活動です。
myfood 編集部は、12月8日、「天然鮭を食べる会」が主催した「アラスカシーフードナイト」におじゃましてきました。第3回目となるこの日は、アラスカシーフードマーケティング協会の協賛により、鮭だけでなく、カニ、数の子、銀ダラ、キンキ、そしていくらと、アラスカ産の天然シーフードづくしのイベントにバージョンアップ。それでは、早速イベントの模様をご紹介しましょう。
午後5時。雪もちらつくような寒い夜にもかかわらず、大阪市内だけでなく東は神戸、西は京都、滋賀からもぞくぞくと集まってきた参加者を待っていたのは、極上の食材からなる6コースディナー(プラス、デザート)と、料理に合わせて用意された赤白4種類のワインでした。


各自お好みのワインを片手に、ここまで食事が進んだところで、アラスカシーフードマーケティング協会の家形晶子さんのトークセッション「アラスカシーフードの特徴と、持続可能性実現にむけての取り組み」が始まります。
会場の大きなプロジェクターには、アラスカの大自然、沖合の荒波のなかで小型漁船に乗った漁師が、サーモンを一尾一尾釣り針からはずして船上に引き上げている姿など、アラスカの水産資源保護にむけたさまざまな取り組みが映されます。映像を見ながら、アラスカ州では、一般住民も含め「魚に関わるすべての人が、水産資源を守ろうと共通の意識を持って行動している」という家形さんの話を聞いているうちに、日本人にはあまり馴染みのない「『サステイナブル(持続可能)な漁業』のイメージが具体的にわいてきます。

アラスカの美しい自然と、水産業に従事する人々の風景が目に焼きついたところで、話は終わり、食事の再開です。
登場したのは、大皿にのった「イクラと紅鮭のスモークサーモンの冷製パスタ」(左上写真)です。パスタが見えないほど、イクラとスモークサーモンが贅沢に盛られた一品。(その華やかさに、会場からはワーという歓声が!)新鮮なイクラとサーモン本来の味が引き立つよう、パスタソースはいたってシンプル。カニの身をほぐした殻からとった出汁と、かぼすの果汁をベースにつくられていました。ミリバールのシェフが、「調理していてもくずれないしっかりした身が印象的だった」と話すとおり、素材の美味しさがぎゅっとつまった大きな角切りのスモークサーモンは、まさに天然ならではの味。パスタに続く、ズワイガニのガーリックバター焼きは、つやのあるしっとりとした白いカニの身ーーこちらもまた格別の味でした。


【画像提供協力】
アラスカシーフードマーケティング協会(ASMI)
アラスカシーフードマーケティング協会(ASMI)
