Home> 特集記事> 季節のイベント 2012.11_02

アメリカの朝食最新事情



英語で朝食は「breakfast」。今では大半の日本人が知っているはずです。でもその語源までわかっている人は意外と少ないかもしれません。カタカナで「ブレックファースト」と表記されるので、一日の最初の食事だから(これは"first"の勘違い)とか、さっと速く(fast)食べるからとか...。breakとfastを組み合わせた言葉であることは間違いなさそうです。ただファースト"fast"は「速い」ではなく「 断食」を意味するまったく同じスペル・発音の単語です。前日の夕食から続いた断食を朝起きて「破る(break)」食事だからbreak・fastとなったのです。ですから、本来は一日で最初の食事を意味し、厳密に言うと、朝何も食べなければ昼食がbreakfastとなるわけです。いずれにせよ、空腹に入る一日最初の食事ですから、その大切さに注目するにのは日米を問わず当たり前のことでしょう。

欧米には「Eat breakfast like a king, lunch like a prince, dinner like a pauper.(朝食は王様のように、昼食は王子のように、夕食は貧民のように食べよ)」という ことわざがあります。日本では、ことわざこそありませんが「朝はしっかり食べなさい」は、お母さんの口癖のように脳に焼きついていますよね。朝・昼はしっかり、夕食は軽めに...ダイエットを試みている方には特にこのような食べ方が推奨されているようですが、洋の東西を問わず、そのような食べ方をしたほうが体には良いと昔からわかっていたのでしょう。実際、日本の伝統的な朝食は欧米のそれに比べるとかなりたっぷりと充実しているのではないでしょうか。 朝食(イメージ)アメリカでは卵料理、ソーセージやベーコン、ペストリーにフルーツといった、旅行したときのホテルの朝食をイメージされる方が多いかもしれません。でも実際、ほとんどの家庭で平日の朝食はいたってシンプル。シリアルやペストリーにジュースやコーヒーといった調理をしない極めてあっさりしたものです。あわただしい現代の生活が反映されたものですが、最近は「王様のように」とまではいかないまでも、大分状況は変わってきたようです。

とはいっても家でゆっくりと朝食を食べるというわけにはいかないようです。ひとつ注目されるのが、朝を抜いてしまう子供たちのために学校給食の朝食が広まっていることです。(2012年5月「知る見る食べるアメリカ」をご参照ください)
ブリトー(イメージ)レストランにおいても朝食メニューの充実が目立ちます。食材で特に注目されているのがオートミールです。日本ではクッキーの材料になる程度ですが、とても栄養価に富んだヘルシーな食べ物です。フルーツやナッツをトッピングすればバランス良い朝食となります。また、これまで朝食にはなかなか入り込まなかったエスニック料理がここへきて急に広がっています。 フリタータ(イメージ)その筆頭がメキシカン。ブリトーやフリタータをメニューに加えるレストランが急増しています。クレープやキッシュといった「女性的」と言われていたメニューも「朝ならOK」ということで男性も好んでオーダーしているようです。もう一つは、「いつでも朝食」というトレンドです。前述したとおり卵料理、パンケーキやフレンチトーストなどの「しっかりとした朝食」は週末に家族揃って食べるアメリカの「おふくろの味」なのでしょう。ノスタルジックで誰もが大好きな朝食メニューをいつでも食べたい...そんなリクエストに応えるチェーン店や専門店が増えています。その代表格がニューヨークのSarabeth's(サラベス)。つい先日、日本にも初上陸したばかりです。オーソドックスな定番メニューのなかにアメリカの今を感じることができるはずです。ぜひ一度お試しあれ!






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IMG:アメリカの朝食最新事情/オートミール(イメージ)