Home> 特集記事> 季節のイベント 2012.10_02

G9メンバーが被災地の生産者や加工業者と交流



厳しい残暑がようやく落ち着き、少しずつ秋の気配が感じられるようになった2012年9月下旬、世界の有名シェフたちで構成されるG9が揃って来日していたのをご存知でしょうか。
G9は、社会における料理の果たすべき使命と可能性を追及するため2010年に発足しました。スペインのフェラン・アドリアシェフを委員長に、料理先進国9カ国の各代表が国際会議を年1回のペースで開催し、世界に向けてメッセージを発信してきました。G9メンバーの多くは『世界のベストレストラン』上位に名を連ねる有名シェフのため、彼らが発信する食のメッセージは世界的にも注目されています。
2011年にはペルーのリマで第2回目を開催。エコロジー、サステナビリティ、バイオダイバーシティを世界的課題とする共同声明を採択したこの会議において、第3回開催場所が日本に決定します。G9日本代表である服部栄養専門学校の服部幸應理事長によると、これはG9メンバーたちの強い希望によるものだったとか。
「次は絶対に日本でやろう、自分たちも被災地の復興支援に協力したいってみんなが言ってくれたんですよ。私が『日本に来てくれ』とお願いしたわけじゃない。食を通した復興支援に、みんなとても積極的でした」(服部理事長)

被災地原っぱそして1年後の2012年9月22日、約束通りにG9メンバーは被災地に立っていました。まず一行は宮城県名取市閖上地区を訪問。ガレキこそ撤去されているものの、津波によってすべてが流された大地を目の当たりにするG9メンバーの表情は真剣そのものでした。その後は仙台市のホテル会場で被災地の生産者や加工業者らと交流。岩手、宮城、福島3県から18団体が出展した各ブースで、世界的シェフたちは説明を聞きながらしっかりと味見していきます。
G9と村井嘉浩宮城県知事「これまで私は『どんな料理が一番美味しいか』と聞かれれば、いつも『日本料理だ』と答えてきた。これからは言葉より行動で東北地方の生産者を支えたい」(G9スペイン代表:フェラン・アドリア)
「日本の食材は素晴らしい。それは震災後も変わらないというメッセージを世界に発信する」(G9ペルー代表:ガストン・アクリオ)
G9メンバーがそれぞれのレストランで募った義援金100万円を村井嘉浩宮城県知事に手渡すと、会場は大きな拍手に包まれました。

東京ドームシティホール/クッキングデモ翌日からG9は同時開催の『世界料理サミット2012 TOKYO TASTE』に合流。東京ドームシティホールで開催されたクッキングデモでは、さらにスペインから来日した世界的シェフ2人が登場して大いに会場を盛り上げました。
食という根源的なテーマを通して、被災地復興支援する世界のトップシェフたち。世界的な風評被害に悩む日本食材にとって、彼らの行動は今後に大きく影響することでしょう。






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IMG:世界の有名シェフたちが食を通して復興支援!/G9メンバーが被災地の生産者や加工業者と交流