Home> 特集記事> 季節のイベント 2012.08_04

最大の敵は食のストレス!?



一般に成人が一日に摂取すべきカロリーは1800~2200キロカロリーといわれています。カロリーバランスでは複合炭水化物を主にした炭水化物を65~70%、タンパク質を12~15%、そして脂肪を20%以下にすることが理想とされています。
しかしこれをアスリートにそのまま当てはめることはできません。必要とされる筋肉や筋力が競技種目ごとに大きく変わるからです。瞬間的に爆発的なパワーが求められる競技と、持久力が求められる競技では摂取すべきエネルギーがまったく違います。

ところが北京オリンピック真っ最中の2008年、イギリスの新聞ガーディアンが驚くべきニュースを配信しました。それはマイケル・フェルプス選手(アメリカ:男子競泳)の平均的な1日の食事量。まず朝食には卵焼き、チーズ、レタス、トマト、玉ねぎなどをマヨネーズで挟んだ具沢山なサンドイッチを3つ、オムレツ1つ、フレンチトースト3切れ、コーヒー2杯にチョコレートチップス3袋。 パスタランチはパスタ500g、巨大ハム2枚とチーズのサンドイッチ、1000キロカロリーの栄養ドリンク、夕飯もパスタ500gとピザを丸々1枚、それに1000キロカロリーの栄養ドリンクを飲んでいるんだとか。
これらの合計はなんと12000キロカロリー。一般人のおよそ6倍を日常的に摂取しているのです。ここまで摂取量が多いと「競技ごとの違い」という概念はあまり関係がなさそうですね。彼は北京オリンピックで8個の金メダルを獲得しました。このことからも食生活は正しかったといえます。そうなるとロンドンオリンピック選手村で1300種類のメニューを誰よりも満喫してるのは、ある意味でフェルプス選手なのかもしれません。フェルプス選手自身はインタビューに対して「よく食べ、よく眠り、よく泳ぐ。これが私にできることのすべて」と答えています。
なでしこジャパンの澤穂希選手(日本:女子サッカー)はラーメン、お寿司、たこ焼きなどを好物としてあげていますが、何よりも心がけているのは「好きな食べ物を我慢しない」ことだとか。少し偏っているようにも見える食事で、アスリートとしてのトップを維持している選手たちがいる現実なども合わせて考えると、栄養成分より"ストレスのない食生活"が心身ともに良い効果を生む可能性もありそうです。

できるだけ栄養バランスには気をつける。でも本当に食べたいものは我慢せず、ストレスを溜めないようにする。これってアスリートにかぎらずダイエットでも通じるスタンスではないでしょうか。
とはいえ階級別種目で減量に減量を重ねている選手もいるので、このスタンスが全方位的に有効というわけではありませんが...。オリンピックにおけるトップアスリートと食とメダルの因果関係は千差万別。各選手の好物を知り、競技の結果にその影響を重ね合わせてみるのも面白そうです。

ロンドンオリンピックすでに続々と名勝負が生まれているロンドンオリンピック。すべての選手が安全に競技を終えることを祈ります。そして勝っても負けても、試合後に美味しい食事が楽しめるぐらいベストを尽くせるよう祈ります。みんなガンバレ!








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IMG:ロンドンオリンピック開幕!/最大の敵は食のストレス!? (女子競泳イメージ)