日本はこれから深刻な少子高齢化社会に突入していきます。アメリカは肥満が国民の健康に大きく影響し、将来的な影響はさらに増大すると予測されています。どちらも食生活と密接に関係する問題ですが、30年後へ向けて今から取り組めることはなんでしょうか。料理評論家としても著名な服部学園の服部幸應理事長はまず「和食への回帰」を提言しています。
「日本は1945年に終戦を迎えました。そして欧米、とくにアメリカからいろんな物資・食料が入ってきた。この食料には適度に脂肪分が入っていて、これが日本の古い食生活と混ざり合いました。その結果1965年から1985年までの20年間、日本の食生活は理想的なバランスだったんです。それが今は高脂肪、高カロリーになり、メタボリックや心臓病、血管障害、糖尿病が多くなっています。これをなんとかするためには、和食をもう一度見直すべきだと考えています。和食を世界無形文化遺産に登録してもらおうとユネスコに申請もしました。和食は多くの成人病予防に有効とされています。世界が健康になるように、これから和食の持つ役割は非常に大きくなっていくんじゃないでしょうか」


「30年前からを振り返ると、冷凍技術の進歩が保管・流通を様変わりさせました。これは外食産業を大規模化させた最大の技術革新であったと思います。農業分野ではバイオ技術の革新が相当生産を進化させました。今後30年を考えますと、バイオ技術の進化、またナノテクノロジーといった技術革新により様々な飛躍向上がもたらされるだろうと期待しています」
現在の豊かな食生活は30年後、より便利さをも増していそうですね。

わたしたちの父・母、祖父・祖母たちの努力によって、現在当たり前のように享受している豊かな食と食生活を、子供たち、孫たちの世代に受け継いでいくために何が大切か。わたしたちそれぞれが真剣に考え実践していくことが、今、求められているのでしょう。
