
世界大恐慌以降、農務省は政策を多様化させます。安心安全な食糧の安定的な生産と流通を継続するため、関連する多くを政策に取り入れていったのです。


1964年には農務省所管によるフードスタンプが制度化されました。これは低所得者向けの食費補助対策で、4人家族の月収が2500ドル以下である場合に1人あたり最大100ドル相当のスタンプが支給される制度です。現在フードスタンプの受給者は4000万人以上。食糧の安定供給はしっかり継続されています。
農務省設立当時、アメリカ人の約半数が農業従事者でした。現在その割合は2%にまで減少しています。同時にアメリカは現在、『世界のパンかご』と呼ばれるほど大量の穀物を世界に輸出しています。つまり少ない人員で多くの農産物を収穫する効率的農業が実践されているのです。エルスワースから始まった改革的農業指導は、大きく大きく成功しました。
そしてリンカーン大統領の思想も消えていません。
現在農務省総予算の60%がフードスタンプに割り当てられています。『人民の省』は、150年経った今も健在なのです。
現在農務省総予算の60%がフードスタンプに割り当てられています。『人民の省』は、150年経った今も健在なのです。
写真提供:USDA
