Home> 特集記事> 季節のイベント 2011.09_03

横内山梨県知事がアイオワに伝えたかった感謝の気持ち



姉妹州・県締結50周年を迎えた昨年、両州・県の交流は一層活発になりました。
山梨県でおこなわれたセレモニーにはアメリカからトーマス・ヴィルサック農務長官が参加しています。山梨とアイオワの深い友好関係が、いまや州・県レベルを超えた日米友好の象徴となった証でした。しかし、この背景にもまた一つの優しい歴史があります。2000年におこなわれた40周年セレモニーにアイオワから参加したのも、当時州知事だったトーマス・ヴィルサック長官その人だったのです。移りゆく時代にあって、互いを想う変わらぬ気持ちこそが、半世紀にわたる友好の礎になっているのでしょう。

日本からは昨年8月、清水さんご一家が一週間のアイオワホームステイを体験しています。これは友好姉妹州・県の象徴である『フジザクラポーク』と『アメリカ産食材』を使ったレシピコンテストがアメリカ農産物貿易事務所主催で開催され、その優勝特典としてプレゼントされたもの。そして今年の8月には、横内山梨県知事をはじめとする18人が山梨県を代表してアイオワを表敬訪問しました。

記念植樹アイオワ州から35頭の豚ととうもろこしを寄贈されたお礼に、山梨県は釣鐘を寄贈しています。州議会と州知事への表敬訪問を終えた横内山梨県知事が、次に参加したのがこの『平和と友情の鐘』再奉納式。横内山梨県知事の訪問を前に、アイオワ州はこの釣鐘と鐘楼を補修し、両知事参加のもと改めて奉納式をおこなったのです。
とうもろこし農場知事視察式の最後には両知事がこの鐘を鳴らし、さらなる友好の発展を祈りました。その後も横内山梨県知事は記念植樹、とうもろこし農場視察、デモイン市ダウンタウンのファーマーズ・マーケット視察、アイオワ・ステート・フェア視察など、かぎられた時間の中で精力的にアイオワを体感。
牛オークションファーマーズ・マーケットでは即売中の農家と語り合い、アイオワ・ステート・フェアではなんと子牛のチャリティーオークションにも参加。アイオワ州知事とともにしっかり落札されていました。アイオワ・ステート・フェアのステージでおこなわれた姉妹州・県締結50周年記念式典では、両州・県が今後さらなる友好親善交流の発展に努めるとした覚書を交わし、訪問団のアイオワ日程はここにすべて終了しました。

3月11日の東日本大震災後、じつは日本中の自粛ムードに沿う形でこの訪問も中止が検討されました。しかし早い段階で横内山梨県知事は予定通りの実行を決定します。そこには「50年前にアイオワが豚を送ってくれた。50年経った今、震災被害に苦しむ日本をまたアメリカが大きくサポートしてくれている。このことは必ず現地で感謝の言葉にしたい」という横内山梨県知事の強い思いがあったといいます。「辛いときに内側を向いてはいけない。辛いときこそ外に目を向けるべきだ」という信念のもとアイオワへ向かった横内山梨県知事。日米関係の根幹はパートナーシップであり、山梨・アイオワの姉妹州・県はまさしくそれを体現してきました。言葉だけのパートナーシップではなく実行する。横内山梨県知事の決定は、そんな正しいパートナーシップのあり方を現代に体現してくれたのです。

半世紀前、太平洋をへだてた遠い国に困っている人たちがいました。ある日、困っている人たちのもとに豚が届けられました。みんなとても感謝しました。そうして遠い国と国のあいだに、今も続くやさしい歴史が生まれました。


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IMG:横内山梨県知事がアイオワに伝えたかった感謝の気持ち/式典覚書調印式/奉納式