アメリカ食品をマーケティングする女性たち

今回の「アメリカ食品をマーケテイングする女性たち」ではナパ・ヴァレー・ヴィントナーズ駐日代表を務められている白須知子さんにお話を伺ってきました。

myfood:こんにちは。今日はお時間お取りいただきありがとうございます。よろしくおねがいいたします。

白須:こちらこそよろしくおねがいいたします。

myfood:ではみなさんにまずお聞きしていることなのですがどういったきっかけでナパ・ヴァレー・ヴィントナーズのお仕事をされるようになったんですか?

白須:ちょっと長い話になるのですが大学で英語を専攻した後に英語を使う仕事がしたくてJTBに入ったんですね。

myfood:はい。

白須:でもなかなか女性は海外勤務の機会がなくて会社をやめてフリーでツアーコンダクターをやっていたんです。

myfood:なるほど。

白須:そうこうしている内にアパレルで輸入に関する仕事をするようになったのですが、そこでイタリアに興味がわきましてフィレンツェに一年、滞在することにしたんですね。そこでイタリア語を勉強したり、ルネサンス芸術が好きなのでそういったことに触れたり。その際にワインやイタリアの食文化に触れる中でクオリティが高いものが安価に入手出来る食文化に興味をひかれたんです。そんな思いを持ちつつ帰国したところワインの仕事があるのでやってみませんか?ということで当時、カリフォルニア・ワイン・インスティテュートをの駐日代表であったヤマノ&アソシエイツに入社してワインを担当することになったんですよ。

myfood:そうだったんですね。ヤマノ&アソシエイツは数多くのアメリカ農産物振興団体を代表されてきましたが、カリフォルニア・ワイン・インスティテュートの他にも何か担当されたんですか?

白須:最初はワインとピスタチオの担当でしたが、最終的にはワイン専任になったんです。

myfood:カリフォルニアワインインスティテュート時代はどのようなお仕事をされていたんですか?

白須:当時まだカリフォルニアワインがジャグワイン(安価なワイン)といった見られ方からヴァラエタルワイン(上質でラベルにぶどう品種が明記してあるワイン)へと移行する時期だったので、主にブランド構築やそのプロモーションということをやっていました。当時、第一回目のバイ・ザ・グラス・プロモーションを行いました。バイ・ザ・グラスは、既にアメリカではとてもポピュラーなスタイルだったので、日本でも推進したいなと思って。

myfood:そうだったんですか!今では他のワイン協会もやってますがバイ・ザ・グラスってとってもいいスタイルですよね。

白須:そうですね、いろいろなワインが楽しめますからね。

myfood:本当に。ではカリフォルニアワインをやられていた延長線上でナパのお仕事なんですか?

白須:そうではないんです。もともと自分自身ワインが好きだったので仕事のこともありましたし、ワインについていろいろと勉強していく中でやはりワインはアメリカだけではないというところにいきついたんですね。

myfood:はい。

白須:それでフランスへ渡ったんです。

myfood:今度はフランスですか!

白須:はい、そこでフランス語を学んだりしている内に、当時のキリン・シーグラムと縁がありましてワインマーケティングの仕事をすることになったんです。

myfood:へぇ。

白須:それでフランス、イタリアを中心に、ヨーロッパののワインを約8年間担当しました。

myfood:アメリカ、フランス、イタリア、ワインの王道全部ですね!

白須:そうなんです。それでシーグラムが酒類事業から撤退することになったタイミングで独立して、通訳や翻訳などをしていたんです。

myfood:ふむふむ。先ほどからお伺いしていてワインも凄いけど語学についても何カ国語もお出来になって凄いなって思ってました。

白須:ありがとうございます。

myfood:因みにそこからナパですか・・・?

白須:それがまだナパにはならなくて(笑)次はマキシアム・ジャパンという会社で、やはりマーケティングを。こちらはシャトー・ムートンやルイ・ラトゥールなど、いわゆる付加価値の高いワインを扱う会社でしたので、それらの銘醸ワインをいかに販売していくかというところを担当していました。ただ、こちらも外資でしたのでいろいろとありまして2007年ですか、ヴィノソフィアを設立して、それまでの通訳や翻訳に加え、ワイン・エデュケーターの仕事を始めたんです。

myfood:ワイン・エデュケーター?あまり聞きなれない言葉ですが・・・?

白須:これはアメリカの資格なのですが、ワインをプロとして扱う人を育てるための資格なんです。

myfood:素敵な資格があるんですね。

白須:ありがとうございます。加えて消費者の方へのセミナーなども行っているんですよ。

myfood:そうなんですね。私もぜひ参加してみたいです。

白須:ぜひぜひ。それらの活動の成果で、2011年からナパ・ヴァレー・ヴィントナーズ(ワイナリー協会)の駐日代表に就任させていただいたんです。

myfood:なるほど!

白須:やっとナパにたどり着きました(笑)

myfood:(笑)ナパ・ヴァレー・ヴィントナーズの駐日代表のお仕事はどういったことをされているんですか?

白須:実はナパ・ヴァレーというのは、カベルネ・ソーヴィニヨンワインを主体とする世界屈指のワイン産地であるにも関わらず、まだ地名の認知が消費者の方達の間で低いんですね。

myfood:えっ、なんだか意外な感じがしますがそうなんですか・・・?

白須:日本ではまだまだそうですね。ですので、ナパ・ヴァレーが高級ワインの産地であるという認知を高めることを旨にセミナーを開催したりプロモーションをすることが私のミッションなんです。

myfood:なるほど。myfoodもぜひそのお手伝いをさせていただけたら嬉しいです。

白須:ありがとうございます。

myfood:ところで白須さんはワイン以外にもアメリカの農産物についてはいろいろと関わられてきていますが、関わられるようになったことで意識や見方が変わったということはおありになりましたか?

白須:そうですねぇ、まず日本というのは、特産物はあるけれどもやはり国土も狭いですし自給率も低いという現実があると思うんですね。

myfood:はい。

白須:それから海外からの輸入食材に頼っている部分が多いのもそうですよね。ワインも海外のものが主流ですし、大豆のような日本人に欠かせない食品や、肉や果実等も輸入品が占める割合が高いですよね。ですから海外の品質のよいものが適切な価格で日本人の生活に広まることがいいことだと思っていますし、国産のものと輸入品を組み合わせることで日本の食文化を良くすることが大事だと思っています。そういった部分でアメリカの食材というのは大きな役割を果たすといえるのではないでしょうか?

myfood:確かに豚肉などは"選ばれてNo.1"というくらい私達の生活の中で市民権を得ていますし。ワインについても最近はカジュアルなお店はもちろん、高級レストランでもアメリカワインがオンリストされていないお店は、よほどどこかの国に特化しているお店以外はないというくらい品数も多く浸透していますし。なるほど。

白須:はい。

myfood:では最後に白須さんお薦めのワインの飲み方や楽しみ方があれば教えていただけますか?

白須:はい。ナパのワインは非常に果実味が豊かなぶどうから作られていますので、特にこれからの季節は少し冷やして飲まれることをお勧めします。ナパは赤が多いので「赤を冷やすのですか?」と思われる方も多いかもしれませんが、口に入った時に、ややひんやり感じる位が美味しいので、ぜひ試していただきたいですね。もともと、"赤ワインは室温で"という時の室温は、ヨーロッパの石造りの建物の中の涼しい室温を指しているのですから、日本では季節によって冷やす必要があるのです。あと最近はソーヴィニヨン・ブランも良いものが沢山あるので、こちらもぜひキリッと冷やして召し上がってみてください。

myfood:赤を冷やす!やってみます。お料理とのマリアージュについては何かありますか?

白須:そうですねぇ、ヨーロッパの場合はそれぞれのワインにそれぞれ郷土料理があったりするので、それらを組み合わせるのがお勧めなのですが、カリフォルニアの場合はお料理自体もフュージョンが多いので、好きなものを好きなワインと一緒に飲むという自由なスタイルがよいのではないかと思っています。

myfood:そういう考え方も素敵ですね。本日はありがとうございました。

白須:こちらこそありがとうございました。