もっと知りたい食の安全...「農薬の残留規準ってどうやって決めるの?」などアメリカの食に対するみなさんの素朴な疑問にお答えします。

vol1 米国で食品の安全性を規制・監督する省庁はどこですか?

米国では主として保健福祉省食品医薬品局(HHS-FDA)、農務省食品安全検査局(USDA-FSIS)および環境保護庁(EPA)の3つの政府機関が食品の安全に関する規制・監督等を行っています。また、各省庁間は相互に協力をすると共に、州政府等の地方行政当局と緊密に連携し、食品の安全に関する業務を行っています。

それぞれの役割

・HHS-FDA

HHS-FDA(Health and Human Services - Food and Drug Administration)のなかで食品行政を担当しているのが、食品安全・応用栄養センター(Center for Food Safety and Applied Nutrition、CFSAN)です。CFSANでは食品の定義と規格基準、表示などを策定するほか、食品添加物や動物用医薬品などの登録にかかわる安全性・有効性の評価や使用基準・残留基準の設定や関連施設の査察を行っています。

・USDA-FSIS

USDA-FSIS(United States Department of Agriculture - Food Safety and Inspection Service)は食肉・家きん肉およびそれらの加工品の定義や規格基準、表示を策定するほか、家畜の疾病検査、農薬や動物用医薬品などの残留検査を実施しています。さらに、食肉処理工場内および加工工程における微生物汚染を防止するための指導・監視・査察も行っています。

・EPA

農薬の登録についてはEPA(Environmental Protection Agency)が行っています。新たな登録に必要な安全性・有効性の評価や環境影響評価、使用基準・残留基準の設定を行っています。また、農薬の使用状況など農薬使用に関連する規制の順守状況の調査や査察も行っています。